工務店と創る、新しいガスビジネス <その1>
下請けのままで、本当にいいのか?
LPガス会社と工務店は、本来対等なパートナーであるはずです。しかし現実はどうでしょうか。「新築の供給権が欲しい」「契約数を増やしたい」という一心で、数十万円かかる配管工事を無償で請け負い、工務店の建築コストを肩代わりする。こうした不透明な商習慣が、この業界では長く当たり前とされてきました。しかし、この構造は今、法改正という大きな転換期を迎えています。2024年から施行された「液石法」の改正により、これまで行われてきた「過大な利益供与(無償配管や設備提供)」は厳格に禁止されました。さらに2025年4月からは、不透明な設備費用をガス料金に上乗せして回収することを防ぐ「三部料金制」が義務化されました。これにより、ガス屋さんがコストを負担して工務店に取り入るという「裏側の協力関係」は、もはや存続できません。
これまでは、ガス屋さんが「使われる存在」として工務店のコスト調整弁になってきました。仕様は決められ、価格は比較され、最後に呼ばれる。どれだけ努力しても利益は残りにくい。これは現場の努力不足ではなく、歪んだ商慣行に依存した「立ち位置」の問題です。
しかし、法改正によって「安さ」や「無償」を武器にできなくなった今こそ、本来の力が試される好機です。現在、人口減少により新築着工は減少し、工務店も以前のように仕事が安定している時代ではありません。彼らもまた、ただ仕事を下請けに流すだけでなく、自社の顧客満足度を高めてくれる「真の支え」を求めています。ここに、ガス屋さんの新しい可能性があります。たとえば給湯器の急な故障。大手メーカーや工務店では対応しきれない「今すぐお湯が出ない」というトラブルに対し、即座に駆けつけ、仮設でお湯を使えるようにする。この『生活を止めない圧倒的な現場対応力』は、他業種には真似できません。

これからの関係は、不透明な資金提供で「取り入る」のではなく、確かな技術とサービスで工務店の背中を「支える」ことへ立ち位置を変える必要がありそうです。今回の法改正はその関係を見直すチャンスでもあり、『本当の価値で選ばれる時代が始まった』ということです。ガス屋さんには、現場でお客様の生活を守ってきた力があります。その力を、工務店のために使えるかどうかがこれからの分かれ道になりそうですね。ソフィア企画では、ガス屋さんが工務店の“顧客対応”を支えられる関係づくりをお手伝いしています。「取り入る関係」から「支える関係」へ。その一歩が、これからのビジネスを変えていくのかもしれません。