工務店と創る、新しいガスビジネス <その4>

工務店から選ばれる理由は、価格や商品だけではありません。お客様が困った瞬間に、どれだけ早く不便を解消できるか。第4回では、給湯トラブルへの仮設対応を入り口に、工務店・お客様・ガス屋さんの三者に利益を生む、新しい協業の形を考えます。

困りごと解決が、関係を変える

給湯設備が故障したとき、お客様が最初に求めているのは、新しい機器の見積もりではありません。「今日、お湯を使えるようにしてほしい」という切実な願いです。修理や交換が終わるまでお湯が使えない状態が続けば、特に真冬の不便は想像以上に大きなものになります。

  そこで力を発揮するのが、ガス屋さんによる仮設給湯です。エコキュートの故障であっても、LPガス給湯器を仮設し、まずはお湯を使える状態に戻します。不便を解消したうえで、エコキュートに買い替えるのか、ガス給湯器に切り替えるのかを落ち着いて検討していただくのです。これは、急いで商品を売るためではなく、お客様に「選ぶ時間」を提供するサービスです。

  エコキュートは買い替え時に初めてまとまった費用を提示され、驚く方も少なくありません。こうした場面で、仮設給湯に加えて機器の比較や補助金情報まで案内できれば、お客様は納得して次の設備を選べます。そして、この仕組みはガス会社の既存顧客だけに限定する必要はありません。人手不足に悩む工務店のOB客にも広げることで、新しい関係が生まれます。

  本来、工務店が自社で給湯設備を販売・施工すれば利益を得られますが、急な給湯トラブルに対応できる人員を確保できない工務店も少なくありません。そこで、OB客の同意を得たうえで情報をガス屋さんと共有し、トラブルの受付から仮設給湯、設備の提案までを任せる仕組みをつくります。ガス屋さんは対応結果を工務店へ報告し、機器の販売が成立した場合には紹介手数料を支払います。

  工務店にとっては、自社の人手をかけずにOB客の不便や苦情を解消し、顧客との関係を守りながら収益も得られる仕組みです。お客様はすぐにお湯が使える。工務店は対応の負担を減らし、OB客との関係を守れる。ガス屋さんはオール電化住宅にも新たな接点を持てる。まさに三方良しのビジネスモデルです。





仕事をもらう前に困りごとを引き受ける

これからガス屋さんに必要なのは、無償提供によって工務店に取り入ることではなく、工務店の大切なお客様を一緒に守る関係です。「給湯の困りごとは私たちが支えます」と先に価値を差し出すことで、ガス屋さんは下請けではなく、工務店になくてはならない戦略パートナーへ変わります。
ソフィア企画では、工務店のOB客へ継続的に情報を届けるニュースレターやDM、サービス案内ツールの制作を通じて、こうした関係づくりを支援しています。関係を変える起点は、大きな提案ではありません。目の前の「困った」を、誰よりも早く解決することなのです。