ガス屋さんのためのLINEマーケティング ~接点戦略の再設計~ #4

第4回
顧客の頭の中に“ポジション”を持てているか

「ガス会社」と聞いて何を思い浮かべるか

お客様は、普段からガス会社のことを考えているわけではありません。毎日ガスを使っていても、ガス会社を意識するのは料金の確認や機器の故障、点検のときくらいです。だからこそ重要なのは、お客様の頭の中で自社がどのような存在として認識されているかです。「ガスを届ける会社」として認識されているのか、それとも「暮らしの困りごとを相談できる会社」として認識されているのか。この違いは、将来の売上や顧客との関係に大きな影響を与えます。例えば、お風呂のリフォームを考えたとき。その相談先として、お客様は真っ先に自社を思い浮かべるでしょうか。もし思い浮かばないのであれば、お客様の中での自社のポジションは「ガス供給業者」のままなのかもしれません。

第一想起を設計する

マーケティングの世界には「第一想起」という考え方があります。何か必要になったとき、真っ先に思い浮かぶ会社になることです。一番に思い出してもらうことで、他社との比較が始まる前に相談を受けることができます。第一想起は偶然生まれるものではありません。日頃から接点を持ち続けることで少しずつ育っていくものです。

LINEはポジションづくりの道具

ここで活躍するのがLINE公式アカウントです。多くの会社がLINEを「お知らせを送るためのツール」と考えています。しかし本当の役割は、違います。例えば、毎月1回でも暮らしに役立つ情報を届けていれば、お客様はそのたびに会社の名前を目にします。こうした情報はすぐに売上につながるわけではありません。しかし、「この会社はガスのことだけでなく、暮らし全体を考えてくれている」という印象を少しずつ積み上げることができます。また、スタッフ紹介や地域イベントへの参加、防災への取り組みなどを発信するのも効果的です。知らない会社より知っている会社、会ったことがない担当者より顔の見える担当者に、人は自然と安心感を覚えるものです。重要なのは、「売りたい商品」ばかり発信しないことです。給湯器の案内を送る前に、給湯器の凍結防止方法を伝える。コンロのチラシを送る前に、簡単レシピを紹介する。まず役立つ情報を届けることで、お客様の中に信頼が蓄積されます。その信頼があるからこそ、いざ提案したときにも耳を傾けてもらいやすくなるのです。LINEの目的は商品を売ることではなく、お客様の頭の中に「困ったらまず相談しよう」と思ってもらえるポジションをつくることなのです。
これからの時代は、ガスを供給するだけでは選ばれ続けることが難しくなります。だからこそ、お客様の頭の中でどのような存在になりたいのかを考え、そのための情報発信を続けることが大切です。
まずは、自社がお客様の頭の中でどんなポジションを占めているのか、一度考えてみてはいかがでしょうか。