ガス屋さんのためのLINEマーケティング ~接点戦略の再設計~ #5

第5回
「売らない会社」が最後に勝つ

売り込みが響かない時代

「新しい給湯器が出ました。」「キャンペーン中です。」「今ならお得です。」こうした案内を受け取って、すぐに購入を決めるお客様は多くありません。今はインターネットで簡単に情報を調べられる時代です。商品や価格を比較することも珍しくありません。では、お客様に「この会社に相談したい」と思ってもらうには、どのような情報を発信すればよいのでしょうか。

情報を届けることが、信頼につながる

例えば、冬になる前に給湯器の凍結防止方法を伝える。夏には熱中症対策やエアコンの上手な使い方を紹介する。台風シーズンには停電への備えや防災情報を届ける。どれも商品を売る話ではありません。しかしお客様にとっては「知っていてよかった」と思える情報です。こうした情報を継続して届けている会社には「いつも役立つことを教えてくれる会社」という印象が残ります。この印象は、一度のキャンペーンではつくることができません。

売る前に、知ってもらう

お客様は、知らない会社から商品を勧められてもすぐには購入しません。一方で普段から接点があり、「この会社なら安心」と感じている会社からの提案には耳を傾けやすくなります。だからこそ、商品を紹介する前に、まず会社を知ってもらうことが大切です。さらに、お客様が知らないことを分かりやすく伝えることも重要です。例えば、「エコキュートとガス給湯器は何が違うの?」「ガス乾燥機を使うと家事はどれくらい楽になるの?」「補助金は使えるの?」こうした疑問に答える情報を発信することで、お客様は安心して相談できるようになります。これが「教育型マーケティング」の考え方です。商品を売り込むのではなく、お客様の理解を深めることで、自然と選ばれる会社になるのです。

「信頼残高」を積み立てる

信頼は、一度で手に入るものではありません。役立つ情報を届ける。困ったときにすぐ対応する。約束を守る。こうした小さな積み重ねが、お客様の中に信頼として蓄えられていきます。私はこれを「信頼残高」と考えています。銀行口座に少しずつ貯金をするように、お客様との信頼も日々積み立てられていくものです。そして、給湯器の交換やリフォームなど、大きな相談が必要になったとき、その信頼残高がある会社は真っ先に声を掛けてもらえます。

LINEは信頼を積み立てる場所

LINE公式アカウントも、商品を売るためだけに使うのではありません。暮らしに役立つ情報を届けたり、季節の注意点を伝えたり、地域の話題を紹介したりすることで、お客様との信頼を少しずつ積み重ねることができます。すぐに売上につながらなくても構いません。大切なのは、「困ったらあの会社に相談しよう」と思い出してもらえる関係を築くことです。
売る前に、信頼を届ける
これからの時代に選ばれる会社は、「何を売るか」よりも、「どんな価値を届け続けているか」が問われます。まずは、自社のLINEやニュースレターを見直してみてください。「売りたい情報」が多くなっていないでしょうか。その前に、お客様に役立つ情報や安心につながる情報を届けられているか、一度考えてみてはいかがでしょうか。