2024年7月2日付けでLPガス法の改正省令が施行され、LPガス料金の情報提供、過大な営業行為の制限、ガス以外の設備費用の外だしを目的とした三部料金制への移行徹底(2025年4月2日施行)を骨子とする制度改革がスタートしました。これを機に、商慣行を是正してLPガスの信頼を回復したいものです。
LPガスが体積販売に移行した昭和40年代に「配管代はサービスしますから当店のLPガスをご利用くださいね」と配管代負担をお客様に求めずに、ガス屋さんがお客様を長期的につなぎとめる営業行為として誕生した無償配管の慣習。地場の工務店などから新規供給物件に対し、配管や給湯器など設備代の無償供与を求められ、この過大投資は1990年代中頃以降どんどんエスカレートしていきました。
「大家さん」の多くは、安定的な家賃収入を確保したいと考えています。特にアパート経営のビギナーであれば新築時に管理会社と家賃保証をしてもらえる契約をすることが多いのではないでしょうか。築10年過ぎると家賃が下がり、築20年以上となると空き家対策としてリフォームやリノベーションの提案を受けます。
そんな時に「大家さん」を繋ぎとめる営業行為の1つとして過剰サービスするガス屋さんが現れました。その結果、ガス屋さんが負担した過剰な設備費をLPガス料金に転嫁するから入居者は割高なガスを使うことになります。管理会社が退去時にリフォーム提案するも、「大家さん」が良い返事をしないとエアコンやドアフォンなどLPガスの消費とは全く関係ない設備までガス屋さんが負担する

改正省令はガス屋さんが不動産・建設関係者などに設備貸与や紹介料などの形で「正常な商習慣を超えた利益供与」を行うことや、エアコンなどガスとは関係ない費用をLPガス料金に上乗せして回収することを禁止しています。また、「切替を制限する条件」を含む契約書の締結も禁じています。集合住宅の入居希望者へのLPガス料金の事前提示も求めていますから、今後は大家さんに対して過剰設備(魚を与える)をするのではなく、空室対策術(魚の釣り方)を提案することが望ましいと考えます。