コミュニケーション能力アップのための 職場の「報」「連」「相」 <その10>

「ホウ・レン・ソウ」の「ホウ」とは「報告」、「レン」とは「連絡」、「ソウ」とは「相談」のことです。この3つが職場で的確に使えるようになると、コミュニケーション能力がグンと向上し、周囲から一人前と認めてもらえるはずです。「報・連・相」の特徴は、一つ一つが独立したものではなく、3つが連携して初めて大きな力を発揮することがあります。事例をもとに、どこに問題があり、どうすればいいのか考えてみたいと思います。

報告は、相手に余裕があるタイミングを見計らって行いましょう。
私見を交えて報告する場合には、一言断りを入れましょう。

  報告の事例4  

入社後、総務課に配属されたばかりの山田さんが任されているのが、ひっきりなしにかかってくる電話への応対です。上司に確認しなければ分からないことも多いためこまめに報告するのですが、上司はいつも不快そうな顔。「そんなことは後で、メモを渡してくれたらいい」と言われてしまいます。また、ある時には、「どうしてそんな重要なことを先に言わないんだ!」と怒られることもあります。山田さんは、総務の仕事にだんだん、自信がなくなってきました・・・。

  報告4の問題点   報告には重要度に応じたタイミングがあります
まじめに逐一報告している山田さんですが、一つだけ配慮に欠けていることがあります。それは、上司はいつも忙しいということです。上司の手が空いた時を見計らいましょう。もちろん、重要な連絡が入った場合には「○○様から急ぎのお電話ですが、いかがなさいますか?」と速やかに報告し、確認を取らなくてはいけません。上司に対して何をいつ報告するか、的確な判断が必要です。

  報告4の改善点   報告する優先順位の見極め方
◎時系列が基本ですが、例外もあります
報告する時は、常にタイミングを考えることが大切です。原則として、上司が忙しそうな時は報告をすることを避けます。しっかり見計らい、上司が一段落したような時にタイミングよく声をかけて報告する習慣を身につけてください。これが基本ですが、決して見落としてはならない例外があります。緊急を要するものは、一刻も早く上司に報告をあげなければなりません。緊急かつ重要な案件や悪い結果が予測されるような場合には、とにもかくにも大至急報告するようにします。速やかな報告により上司側が適切な対応を取ることができ、問題を未然に防いだり、損害を最小限にとどめることにもつながるはずです。

◎報告事項は整理してから伝えます
報告するときには、話す順番を間違えないことも大切です。互いに忙しいからこそ、時間を無駄にしないためのポイントです。

・先に結論から話し、その理由や経過は後から述べる。
・報告事項が複数ある時は、急ぎものや重要なものを先に伝える。
・長くかかりそうなときは、先に①報告に係るおおよその時間、②報告件数、③概要を上司に伝える。


報告を受ける側にとっては報告者の言葉だけが頼りです。報告者がいい加減なことを話せばそれが事実として認識されてしまいます。報告する時には事実だけを正確に伝えることが肝心で、勝手な解釈や自分の感想を加えないよう留意してください。