ガス屋さんは未来ある経営戦略を持とう! <その4>

◆転換と危機の時代にどう立ち向かうか?
たった2年半で、コロナのおかげで生活者の行動が変わりました。行動が変わると意識が変わります。この生活者の行動の変化に着目した形で、私たちの仕事の仕方やお客様への商品やサービスの提供の仕方を、本気で変えていかなければなりません。すなわち、原点(本質)に立ち返り事業ドメインを見直すということになります。
私たちは社会的分業の中で生きています。社会的に必要となっている価値を世の中に提供する、1つ1つの特殊な仕事を担っています。価値ある製品を生産するとかサービスを提供するというのが目的で、我社の社会的分業のお役立ちは何かを意識して仕事をしていく必要があると思うのです。

◆自社の会社の社会的使命(お役立ち)は何ですか?
私の祖父は、大正時代に薪炭店を営んでいました。昭和33年ごろ、父はプロパンガスの販売に着手しました。 「プロパンって何?どんなパン?コッペパンでなくて?へぇ~!炭屋さんがパン屋さんになったらしい!?!」と噂され、最初はお客様の反応に戸惑いましたが、便利なLPガスは瞬く間に町中の人気者になりました。その後、ガス器具メーカーさんがどんどん安全で、便利なガス機器をつくってくれたおかげで、日本中のガス屋さんは地域の人々の暮らしに必要なお店、会社になりました。
もとは、薪炭店だった、あるいはお米屋さんだった、あるいは運送屋さんだった会社が、LPガスという100%完成された商品に助けられて、時流に乗りガス屋さんになったのですが、そもそも、自社の真のお役立ちは何か?ということです。今はガス屋さんですが、自社の歴史や大切にしてきたもの、強みなど、それぞれ違うはずです。「本当は何屋さんなのか?」これが経営理念そのもの、この目的意識が何よりも大事です。危機と変革の時代にはこの目的をはっきりさせ、それを時代の変化に合わせて、消費者サービスの提供は進化させていかなければなりません。

勝ち残る企業の条件
かつての企業戦略は未来をできるだけ正確に「予測」し、その未来(ゴール)に適合した「戦略」を策定して、それをやりきることでした。しかし、読めない未来、予測不能な時代が到来した今、求められるのは、生じた事態に対する『迅速』な対応、すなわち革新力です。第1にお客様が何を考えているのか?どう、お客様の行動が変化してきたのかを見定めることのできる認識力。認識したら、次は変化したお客様を喜ばすにはどうしたらいいのか考える構想力が必要です。構想力の源泉は多くの過去の事例や異業種の事例を知っていること。その重要ポイントだけを抜き出して、組み立てなおす構想力を実行に移す力が革新力になります。つまりは認識力を高め、構想力を高めて、実行力を高めていくことが勝ち残る企業の条件になると言えそうです。

  認識力   →   構想力   →   革新力   →   創造力  

ガス屋さんは未来ある経営戦略を持とう! <その3>

◆GXでエネルギー業界の大変革にどう対応する?

2020年に菅政権が2050年カーボンニュートラル宣言をしました。そのために、2030年までに2013年比温室効果ガス排出量を46%削減するという目標をCOP26で発表しています。ですから、2030年までに何が起こるのかというと、化石燃料から非化石燃料使用に転換し、電化の促進をして、ゼロエミッション電源比の大幅な引き上げをめざしているのです。太陽光発電、風力発電などの再生エネルギー導入の強化。原子力発電の再稼働。エネルギー使用量の大幅削減をめざして、建築物の省エネ基準適合の義務化、トップランナー基準の改正。そして、ZEH住宅の普及強化などです。
これらは、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて2030年までに2013年比温室効果ガス排出量を46%削減するという目標達成のための行動指針なのです。よって、GX(カーボンニュートラル)によってエネルギー業界の大変革が始まり戦略的対応が必要になることは間違いありません。
LPガス業界を取り巻く状況は下記の通りです。

①電力&都市ガス自由化
●参入が拡大したが卸価格上昇で集約化へ
●電力会社VS都市ガスの図式がさらに鮮明化
●LPガスの収益・顧客を背景とした電力参入継続
●サバイバル競争になりつつある規模が優先される
●本来の自由化から大手間のバトルロイヤルの傾向
●地域・電力会社の環境下で大手に集約化される
②再エネの拡大
●電力の脱炭素化が大きな課題で再エネ利用促進
●再エネを8%⇒2030年22~24%へ倍増させる
●再エネ賦課金が上昇し電力とのコスト競争可能に
③原油の高騰
●ウクライナ問題も含め原油の高騰が長期化の予測
●CP・MB に影響しLPガス1000 ドルを超える可能性
●販売価格へ全量転嫁も困難で収益低減化へ



◆競争激化の中で勝ち抜ける経営体質を構築するためには
●電力・都市ガス・競合他社とのコスト競争に勝てる経営体質の構築へ
●生産性向上、コスト削減、DX活用で体質強化を図る
●競争力のある料金でも利益を上げられる経営体質の構築を図る
●顧客に選ばれる料金とサービスを競う時代が到来している


原点(本質)に立ち返り事業ドメインを見直す
転換と危機の時代にどう立ち向かうか?一言でいうと自立型企業、市場創造型企業への転換が必要です。そのためには、お客様に価値の創造=「お役立ち」を進化し続けなければなりませんから、おのずと事業ドメインが変化します。「我社はエネルギー供給業です」と言っていては勝ち抜けることは難しそうですね。「そうだよね、あなたの会社でしかできない仕事をしているものね!」とお客様が思うような「お役立ち」の進化を続けながら即座に行動する。
そのためには社員の協力が得やすい会社にしていかなければなりません。経営者だけが正しいことを考えても実行するのは社員です。社員が「なるほど!よし、やってみるか!」とついてきてくれるあるいは協力してくれるような会社づくりが必要です。社員が楽しく仕事ができる風土をつくることもピンチをチャンスに変えていくことにつながっていきます。

ガス屋さんは未来ある経営戦略を持とう! <その2>

DX(デジタルトランスフォーメーション)というのは、経済産業省の発表によると、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することと定義されています。よって、DX(デジタルトランスフォーメーション)には、単に、IT化とかデジタル化というのではなく、ビジネスモデルの変革という意味があるのです。
さて、デジタルトランスフォーメーションには以下の4つのDXがあります。

◆4つのDX(デジタルトランスフォーメーション)

よって、カーボンニュートラルとグリーン成長戦略の関係を経済産業省が「グリーン成長戦略を支えるのは、強靱なデジタルインフラであり、グリーンとデジタルは、車の両輪である。」と言っているのはDX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)は相互に関係があり、今後の経済成長戦略の要になるということなのです。


事業戦略をもって、バックオフィスDXを進めよう!
現在、LPガス業界で主に進み始めているのは、バックオフィスDXです。これは管理部門の経営支援で、クラウドソフト、ペーパーレス、キャッシュレス、Web請求、 LPWA 導入・活用、 AI 配送などです。②マーケティングDXのITを活用した販促戦略である、顧客の開拓や囲い込みへのDX活用を進めずに、また、①の戦略やビジネスモデルの変革と構築をしないままに、お客様とガス屋さんをつないでいたミニコミ誌の配布を辞めたり、自社ホームページに掲載して「ハイ!ペーパーレス」というのは大切な顧客接点を失うことになりかねません。

ガス屋さんは未来ある経営戦略を持とう! <その1>

◆経営のスタンダードが変わる
コロナ禍も3年目を迎え、「激変する経営環境」と言われて久しいですが、この先、経営環境はどのように変化していくのでしょうか。

まず、「人」の問題ですが、少子高齢化による労働力不足の問題です。日本の人口は平成20年頃をピークに毎年60万人以上の人口が減少を続けています。5年間で約300万人以上の人がいなくなることになります。これは静岡県や茨城県の人口に匹敵しますので、5年間で1県分の人口が減ると考えると、かなりショッキングな数字ではないでしょうか。よって今後、経営の前提として採用は年々、難しくなると考えるべきでしょう。
次に「モノ」の問題ですが、世界的な資源高トレンドの中、米中問題、ロシアのウクライナ侵攻などにより資源の価格高騰に拍車がかかっています。これに加え、アメリカの金融政策の影響による、極端な円安により、様々なモノの価格が高騰しています。いわゆるインフレです。輸出型の企業は円安のメリットはあるでしょうが、多くの場合、デメリットの方が大きく、収益を悪化させるケースが目立ちます。これまでの30年間、経営の前提は「デフレ」でした。それが「インフレ」に変わるということは、極端な言い方をすると、経営のスタンダードが真逆になり、すべてのやり方、考え方を180度変えなければなりません。
最後に「お金」の問題です。今、多くの企業がコロナ禍の影響を受け、資金繰りの安定のためにコロナ融資を受けています。借入金利が上がれば支払い利息が増え、利益を圧迫します。今まで低金利に甘やかされていた日本企業は厳しい環境下での経営を強いられることになります。

◆カーボンニュートラル(CN)とグリーントランスフォーメーション(GX)
そんな中で、2020年に菅政権が 2050年 カーボンニュートラル宣言をしました。そのために、2030年までに2013年比温室効果ガス排出量を46%削減するという目標をCOP26で発表しています。カーボンニュートラルとは、「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ことを意味します。「排出を全体としてゼロにする」とは、「排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする」ことを意味します。
つまり、排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかった分については同じ量を「吸収」または「除去」することで、差し引きゼロ、正味ゼロ(ネットゼロ)を目指しましょう、ということです。このような、温室効果ガスを発生させないグリーンエネルギーに転換することで、産業構造や社会経済を変革し、成長につなげるグリーントランスフォーメーション(GX)によりエネルギー業界の大変革が始まりました。

GXがもたらす産業界全体の大変革にどう対応する?
GXは日本だけでなく、カーボンニュートラルを世界各国の政府と大企業が成長戦略に位置付けたということに意味があります。今後、CO2を排出する仕事はできなくなっていきます。どうしてもというなら、税金や罰金を払わなければいけなくなる時代がそろそろやってきそうです。日本も今まで、CO2をガンガン排出する仕事をしていた企業がCO2を回収する仕事に転換してきています。このGXで産業界全体に大変革が起きるので、ガス屋さんには勝ち抜ける経営戦略が必要です。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その12>

新型コロナウイルスによる影響を受けて、3年目になりますが、「With感染症」+「DX」+「GX」に加え、異常な物価高、ロシアのウクライナ侵攻による情勢不安など、様々な「不安」感の中で、世界が変わる!生活様式が変わる?!仕事の仕方が変わる?!お金の流れが変わる!いわゆるニューノーマル(新常態)へ移行が始まっています。生活者の購買行動は選択肢が拡大し、価値観が明らかに変わってきています。DXの活用で生産性をあげ、競合に勝てる高効率な事業体制を創るポイントをまとめました。

◆DXの推進で競争に勝てる会社に変革を図る戦略

DX導入にあたり目指す事業のビジョン・方向性を定める
DXは単なる効率化のためのシステム導入ではなく、未来へ向けたビジョンの策定が必要です。そのためには、エネルギー間競争の中で自社の特性【強み】を活かし勝ち抜く事業戦略を構築することが重要です。ビジョンを達成するための手段としてDXの導入を促進しましょう。
DX導入による効果をお客様と社員に還元しよう
DX導入がお客様視点で効果的で効率的、低料金につながるように提案したいものです。また、WEB請求や業務の省力化・合理化による効果で社員の意識を向上させましょう。お客様と社員のつながりを強化し、サポートできるDXで社員の意欲を図ることも大切です。
機械が得意なことは機械で、人の良さを生かせることは人が
LPWAや顧客情報管理・抽出、督促などシステムが得意なことは思い切って、全て機械に任せる。人が得意とする顧客との面談対応での相談や提案はできる限り人が時間を取るようにしましょう。DXの導入とは社員が時間を取ってお客様との接点を強化するためのものであることを理解しましょう。
情報の多いLPガス事業だから攻めのDXをできる体制を創る
機器の経年情報、家族、設備など情報に溢れる事業だから、それらを活用して新規事業への提案につなげましょう。「攻めのDX」へマーケティングにSNSやシステムを活用できる体制にすることも今後は必須です。情報に基づき、お客様に買い替えや商品紹介をベストタイミングで的確に提案することが購入を促進することになります。



『モノ』から『コト(付加価値サービス)』へ、『コト』から『価値(お役立ち)』へ
かつての企業戦略(中堅企業)は未来をできるだけ正確に「予測」し、その未来(ゴール)に適した『戦略』を策定してやりきることでした。しかし、「読めない未来、予測不能な時代」に求められるのは、生じた事態に対する迅速な対応力=「革新力」です。変化や危機の本質をつかむ認識力と対応するための構想力が不可欠になります。お客様のお困りごとの裏側にはお客様の野望が存在します。「真のニーズ(お役立ち)は何か?」を問い続け、お役立ちを進化させることが「価値変容」に対応したアップデート型の企業へ転換できるニューノーマル時代の勝ち残り戦略のカギになると思います。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その11>

ガス屋さんのDX化の1つとして集中監視システムの導入がありますが、検針作業が減って、営業に出向く時間が増えているはずなのに営業の成果が上がらない。顧客との接点減少で顧客離れが心配といった新たな課題が発生しています。一方、スマートフォーンの普及で顧客はインターネットを通じて企業やブランドとつながりやすくなりました。「攻めのDX」として「顧客」を「個客」にできるようなメール送信・販促や訪問、新たな営業提案の手法など、スマホ時代に対応したSMSの活用やWEBツールの活用などが重要になっています。

◆携帯番号で連絡できるSMSの活用
「SMS」とは、ショートメッセージサービスのアルファベットの頭文字を取ったもので、携帯端末間で「テキスト」をやり取りできる仕組みのことです。国際規格なので、基本的に世界中の携帯端末同士で送受信できます。


また、PCや基幹業務システムと連動させることで一斉メール配信やSMSで連絡した保安点検のご案内を予約サイトに登録できるようにするなど活用の幅も広がります。受信は無料なのでメッセージを受け取るお客様には経済的な負担がかかりません。但し、電子メールやSNSでの投稿とは異なり、SMSはパケット通信を利用しないので、通話と同じように1通送信するごとに課金されますので大量にメッセージを送る場合は充分なコスト管理を考える必要があります。

◆LINEを活用して自社サービスにつなげる
LINEは今では国内約8900万人が利用する生活に欠かせないコミュニケーションツールになっています。優良顧客の囲い込みや新規顧客を優良顧客化するためにLINEを利用して、自社のホームページへ誘導して自社サービスにつなげる等、活用は様々です。但し、効果的に活用するためにはどのようなコンテンツをどのタイミングで配信したらいいのかなどミニコミ誌の時と同じように販促企画を年間でスケジューリングすることも必要となってきます。



なぜSMSは開封率が高いの?
SMSの初期設定では受信されたメッセージは待受画面にも表示されることが多いこと。電子メールやSNS系のアプリを日常的に使っている方であれば、SMSの使用頻度が低いこと。この2点が開封率を上げる利点になります。なぜなら送信されるメッセージが少ない分、雑多なメッセージに埋もれることなく、送信されたメッセージがかえって目立ってしまうからです。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その10>

新型コロナウイルスのオミクロン株の爆発的な感染拡大が起こり、陰に隠れるように、エネルギー政策の大転換が確実に進もうとしています。それに伴い、ガス業界でもDXの導入推進の重要性は誰もが認識しているところです。LPWA導入やWeb請求、保安点検のデジタル化など業務のDXは必須ですが、それ以上にデジタル化の中で、顧客との関係性強化を図るDXが求められています。

◆激変するコミュニケーション
DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、デジタル技術によって、ビジネスや社会、生活の形・スタイルを変える(Transformする)ことです。遠隔操作やWEB活用など「機械にできることは機械に任せる」を基本型とすることで限られた人材を有効活用し、業務の効率化を図るというものです。検針、保安、配送などの効率化やメーターの遠隔操作が可能な集中監視システムは「客先に出向かない」というシステムなので、従来の訪問検針によるお客様とのコミュニケーションを激変させました。
 訪問検針やミニコミ誌配布による、今まで当たり前にしていたお客様とのコミュニケーション。「客先に出向かないのはマズイでしょ?!?」そうです!ブローカーによる切替、設備会社、リフォーム会社による積極的な器具販売、ネットによる間違った情報提供など、「客先に出向かない」ことは「客離れ」の危機に常にさらされることになります。今後は行くべきところにベストなタイミングで客先に出向けることが重要になってきますね。

◆集中監視システムによる新たな課題
検針、請求、配送業務の効率化やメーターの遠隔操作など多数のメリットを生む「LPWA・集中監視システム」の導入により訪問検針から自動検針に変わり、客先に出向かなくてよくなった半面、新たな課題が生れてきました。

①伝票やチラシ(ミニコミ誌)の配布はどうするのか?
②検針業務がなくなった分、営業活動ができるはずだったが成果が上がらない
③顧客との接点減少で顧客離れが心配

◆紙の明細書はもう、要らない
明細確認をスマホ、PCでするのが当たり前になりました。これは、世の中の90%の人々が紙の明細がなくても困らないと考えているからです。携帯料金明細、クレジット明細など紙の明細書は有料の時代です。また、シニアの94%がモバイル端末をお持ちで、その内の85%がスマホを利用しているというデータもあります。(MMD研究所調べ:2021.8)ガス料金もWEB明細化に移行するのを機にWEBを使った新しいコミュニケーションツールによる新たな顧客接点を創出できるチャンスの到来と言えそうです。



効率化で生まれた時間・稼働をどう活かすか?
今後は基幹システムとの連携や蓄積された様々なデータと連携して新たな営業支援システムの構築も可能です。顧客のセグメント分けや効率的な営業戦略など、情報を整理して行くべき顧客にベストなタイミングで訪問することが大切になります。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その9>

ガス屋さんのDX化の1つとして自動検針の導入がありますが、顧客との接点が希薄になりがちという新たな課題が発生しています。スマートフォンの普及で顧客はインターネットを通じて企業やブランドとつながりやすくなりました。SNSなどの発展に伴い、見込み客が企業に直接コンタクトできる機会も増えています。そうした背景からマーケティングにおいては、新たな視点での施策を検討し、オンライン、オフラインのあらゆる場面で、いかに顧客とつながっていくのかが重要視されています。検針で訪問するという機会を失った分、新たな方法で顧客との接点強化の機会を増やすことが、売上向上につながる効果的な施策といえます。

◆マーケティング4.0時代の5Aとは?
マーケティング戦略として、4P(製品、価格、流通、販促)やAIDMA(注意、関心、欲望、記憶、行動)を活用した手法を見たことがある方も多いことでしょう。セールスに至るまでのフレームワークとして、概念がわかりやすく伝わります。マーケティング4.0においても、5Aという考え方があります。5Aとは、Aware(認知)、 Appeal(訴求)、Ask(調査)、Act(行動)、Advocate(奨励)の5つのステップを指しており、購買におけるそれぞれのプロセスにそって顧客にアプローチし、顧客を理解しながらマーケティングを行うというものです。5つのステップを繰り返すことで、最終的に顧客からの信用を勝ち取り、ブランドのファンとして他者に推奨してもらうようにつなげていくのです。

◆マーケティング4.0時代の顧客の購買行動


ますますオンライン化、デジタル化されている世界において、オフラインのふれあいは強力な差別化要因になると言います。自動検針の導入によって、一時、ミニコミ誌の配布を休止されたガス屋さんが、点検や担当エリアを決めてミニコミ誌配布を再開される事例が出てきました。顧客接点強化として、オンライン+アナログの新たなコミュニケーション戦略が生れています。顧客へのアプローチは、WebやSNSが主流になるからこそ、ミニコミ誌配布などのアナログのアプローチや、営業パーソンによる「人間くさい」アプローチが差別化につながっていくのでしょう。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その8>

DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の習慣やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けします。今回はウィズコロナ・アフターコロナ時代に生き残るための「顧客アプローチの全体像と購買プロセス」についてです。

◆営業を取り巻く環境の変化
時代の変化やユーザーのネットリテラシーの向上により、モノやサービスの購入時における消費行動が変わってきています。スマートフォンの普及とコロナ禍で顧客の購買行動の起点はネットからの情報収集となっているのです。そのため、デジタルツールを活用した顧客へのアプローチ方法も変化しています。

◆顧客の購買プロセスの変化
例えば子供が幼稚園に入り、そろそろ家を購入しようかなと考えている人の購買プロセスと主な行動はインターネットによる情報収集をなくしての購買は考えられなくなりました。非対面による情報収集の段階で選ばれなければウィズコロナ・アフターコロナ時代では生き残れないことになります。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その7>

DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けしますが、今回は「コロナパンデミックからの脱却に向けた方向性」について触れてみたいと思います。

◆コロナパンデミックで表面化した大きな課題

■世界デジタル競争ランキング2021

2021年9月、スイスの国際経営開発研究所は世界のデジタル競争力ランキングを発表しました。このランキングは、政府や企業がどれだけ積極的にデジタル技術を活用しているのかをしめしており、以下の3つの指標で評価されます。

①知識
新しい技術を開発し理解する上でのノウハウ

②技術
デジタル技術の開発を可能にする全体的な環境

③将来への準備
デジタル改革を活用するための準備の度合い


国際経営開発研究所は、コロナパンデミックからの経済回復の速度は「デジタル競争力にも左右される」としており、3つの指標の数値をどれだけ高めていけるかが重要としています。ランキング上位10位の国・地域はデジタルに関する「効果的な規制の枠組みがある」「新技術の導入が早い」ことから、経済が回復するまでのスピードは速いであろうと分析しています。

ウイズコロナ時代は、コロナ前の市場と比較して、7割の経済規模になるとも言われています。7割経済の中で、今までの利益水準を維持するためには、生産性を従来の1.43倍に引き上げることが必要です。デジタルツールを有効活用し、今までの非効率的なアナログ的な考え方や習慣を変え、業務そのものを変革することができるかがカギを握ることになります。



押さえておくべきデジタルの特徴
デジタルの特徴の一つはコストパフォーマンス(営業生産性)が高いことです。たとえば、一人ひとり丁寧に対応できる人による営業に比べデジタル営業は一度に多くのユーザーに対応が可能です。また、販売促進では、幅広い潜在顧客に接触可能ではあるが高額なテレビCMに比べ、デジタルは低額でユーザーを効率よく絞れるメリットがあります。
デジタルの特徴のもう一つはストック勝負であることです。テレビCMなどは、一瞬で1000万人にリーチできたり、投資直後に集客できるフォロー施策が必要になるスパイク型になります。デジタルは10万人集めるには300記事が必要となり、投資後時間のかかるストック施策が必要となるため積層型になります。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その6>

DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けしますが、デジタル化とDX化の違いについて質問を受けましたので、今回は「アナログ・デジタル・DXの違い」について一覧表にまとめてみました。

◆アナログ・デジタル・DXの違い

アナログ デジタル DX
デジタルツール 社員全員にパソコン支給されていない。 社員全員にパソコンが支給。 社員全員にノートパソコンとWi-Fi(VPN)が支給され、在宅勤務が可能。
ホームページ ホームページはあるが更新されない。検索順位が低い。 見やすく分かりやすいホームページになっており、定期的に更新される検索順位の高いホームページとなっている 顧客へのアプローチと連携され、その推移が可視化され、サービス向上につながっている。
顧客の情報 顧客情報は紙の名簿で管理している。 顧客のデータベースがあり情報を蓄積している。 顧客ベースを分析し、売り上げ向上や顧客満足度を向上させるために活用されている。
予算 計画がない。 必要が出た際に予算の検討を行う。 DXを進めるための別予算が計上され、年々進化されている。
コミット デジタルのことは関心ない。 社内のできる部分はIT化する必要があると思っている。 経営層がDXマーケティング視点にコミットしている。
ITリテラシー 経営陣を含めパソコンやスマホを使えない社員がいる。 経営陣を含めた全員パソコンやスマホを使える。 必要な社員が全員クラウドベースのツールやチャットでつながっている。
顧客の声の経営への反映 顧客の声を経営に反映する部署・方法がない。 顧客の声を経営に反映させることはできているが、ITとマーケティングがつながっていない。 顧客の声を経営判断に反映する仕組みや役割が存在する。
社内のマインド 前例のないことは却下されてしまう。2つあっても片方しかできない。 迷ったら両方やるABテストの環境がある。 言いたいことが言いやすい、失敗をとがめない文化がある。
経理など 経費計算は経理画用紙を入力。 オンライン勤怠管理と経費精算が可能(証票は提出)。 契約・捺印業務が電子化している。


物理世界に存在しないサービスをオンラインで実現させるDX
デジタル化はDXに先行します。基本的には物理世界にあるものをそのままオンラインに移行するだけなので、例えば、ホームページやオンライン商店は「デジタル化」の産物です。それぞれ、「会社概要」パンフレットや実店舗など、元となった実体が物理世界に存在します。オンライン商店は「買い物カゴ」も含め、実店舗を克明に模しています。これに対して「DX」は、ICT(情報通信技術)やデジタル特性を活かし、物理世界に存在しないサービスやワークフローがオンラインで実現することになります。
 そのように考えると、コロナ禍になって色々なことがオンラインに移行し、世界が変わったと私たちは思い込んでいますが、ほとんどがまだ「デジタル化」段階です。たとえば、自動検針や、オンラインでの会議や商談も物理世界で行なっていたことがそのままオンラインに移行しただけの取り組みです。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その5>

 DXに向けた業務の見直しは、今までの業務の矛盾や本質をとらえる数十年に一度のチャンスでもあります。DXを新たに活用することでガス事業者さまの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けしたいと思います。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「デジタル技術を活用した改革」を意味します。「攻め」と「守り」があり、営業DXは「攻め」に該当します。主にWEBサイト・SNS・MA(マーケティングオートメーション)・SFAと言った営業系ITツールから得られる情報を活用し、「顧客サービスの向上」「新規客の開拓」「営業生産性の抜本的な見直し」の3つを実現する仕組みづくりが必要です。

◆従来のPUSH型の営業からPULL型の営業体制構築に向けて
 コロナ禍で顧客の価値観が大きく変化し、顧客の購買行動の起点はネットからの情報収集に変わりました。そのため、デジタルツールを活用し、PULL型の営業に対応できる営業体制への変革が必要です。

 

営業担当が自分から能動的にお客様にコンタクトしていくのが従来型のプッシュ(Push)型営業です。
 プル(Pull)型営業とは展示会、セミナー、Webサイトなどを通して、たくさんのお客様を集客し、その中から見込み顧客を探すのがプル(Pull)型営業です。この中でもコストパフォーマンスが高いのがWebサイトです。
 Webサイトには、展示会やセミナーに比べるとはるかに多くのお客様に訪問していただけます。関心のあるお客様は、検索エンジンや広告サイトから貴社のWebサイトを自分で探し、関心が強ければ、実に何度も何度も訪問してきます。そして、他社の競合商品と比較して、良さそうであれば話を聞きたくなるので問い合わせをしてきます。

①WEBサイトのアクセス分析により、関心を持っているターゲットの特定と関心内容・関心度合の把握
②関心度の高い人に絞って、営業電話を行い、アポ率を向上させる
③WEBサイト経由の問い合わせが増えるように、WEBコンテンツを充実させる
④WEBへのアクセス数が増えるように、認知度を上げる企画の検討と実施
⑤顧客情報の一元管理(名刺情報の収集も含む)
⑥データ分析に基づいたPDCAを回す

営業部門への投資に関する思考の転換が必要!
 今後、売上を伸ばすためには、営業担当を増やさなければならないという従来型の思考習慣からの脱却が重要になります。営業担当を一人雇用すると、給与、社会保険料、採用コストが発生します。この投資に対して回収できるかは未知数です。一方、DX(デジタル)に投資した場合は営業系ITツール(ホームページ・SNS・MA・SFAなど)確実に資産として残ります。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その4>

DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けしています。DXに向けた業務の見直しは、今までの業務の矛盾や本質をとらえる数十年に一度のチャンスでもあります。LPガス業界はデータ量が多いので効果が出やすいと考えられますが、そのためには「レガシー企業文化からの脱却」がカギだと、前号で書きました。今回は、過去の成功に頼れない「正解のない時代」のポイントについて考えてみたいと思います。

◆過去の成功に頼れない『正解のない時代』のポイント
コロナ禍で重要なキーワードになった「ニューノーマル」(New Normal)。直訳すると「新しい常態」という意味になります。社会に大きな変化が起こり、変化が起こる以前とは同じ姿に戻ることができず、新たな常識が定着することを指します。ビジネスにおける戦略や課題解決に対して、『正解のない時代』と言われて、もう何年も経ちますが、LPガス業界におけるビジネス環境も例外なく『正解のない時代』に突入しています。以前は先駆者たちが成功したことが正解であって、自社もそこにどう向かうかを考えれば良かったのですが、今はその答えを思考し、構築するところからスタートする必要があります。今後は、正解のある時代の法則は通用しないだけでなく、他社のマネをすることで大きな痛手を食うことにもなりかねないのです。なぜなら、他社のマネでは自社の想いがお客様に伝わることはないからです。
商売の基本は「お客様の困りごとを解決すること」です。この基本を見失うことなく、過去にない新しいものを試行錯誤しながら自社の戦略を作り上げるしかありません。ところが、「正解のない世界」は「個性をもって差別化」されるので答えが顧客の数だけあると言っても過言ではありません。ですから、多くの戦略や課題がどんどん生まれてしまいます。不確実性がさらに増した時代だからこそ、時代の変化に柔軟に対応できる準備が必要なのです。固定観念を捨て、やらなくていいことや、今の時代に合わないと思うことを思い切って見切ることも『顧客』が『個客』になる戦略の近道かもしれません。


「他社の逆を行く」くらいの大胆な発想が必要!?!
過去からの正解探しや、他社の鵜呑みのマネが今の時代に合わないとすれば、「他社の逆を行く」くらいの大胆な発想が必要かもしれません。例えば、広告宣伝費は売上の何パーセントまでとか言いますけど…誰が決めたんでしょうね?そんなのきっと正しくありません。お客様の争奪合戦に時代が変わっているのに、そんな正しいかどうか分からない固定観念は一度、思い切って捨ててみては如何でしょうか?他社が、広告宣伝費を抑えるなら、逆にそれ以上かければ、効果は他社以上になる可能性が高いと思われます。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その3>

DXに向けた業務の見直しは、今までの業務の矛盾や本質をとらえる数十年に一度のチャンスでもあります。LPガス業界はデータ量が多いので効果が出やすいと考えられますが、そのためには「レガシー企業文化からの脱却」がカギとなります。DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けしますが、今回は「レガシー企業文化からの脱却」について触れてみたいと思います。

◆企業の目指すべき方向性を明確にする
コロナ禍によって人々の固定観念が変化した今こそ、ガス会社が企業文化を変革するチャンスです。世の中は急速にデジタル化に移行しています。ビジネスにおける価値創造の中心はデジタル化の浸透にあります。デジタルサービスが提案する新たな価値を享受することが当たり前になり、コロナ禍を通じて変化した人々の固定観念やテレワークをはじめとしたデジタルによる社会活動の変化はもう、元には戻らないからです。
また、ガス会社がDX変化に迅速に適応し続けることも重要です。顧客の価値観に対する変化に対応するデジタル化は必須ですが、同時にビジネスのありようを変化させなければデジタル競争の敗者になってしまいます。よって、ITシステムによる合理化だけでなく、ガス会社の企業文化(固定観念)そのものを変革し、目指すべき方向性を明確にすることが求められています。

コロナ禍で表出したことは、コロナ禍は一過性の特殊事情ではなく、常に起こりうる事業環境の変化に過ぎないのです。これまでは疑問を持たなかったガス会社の企業文化の変革に踏み込むことができたか、できないかが「レガシー企業文化からの脱却」ができるかできないかになるともいえます。ガス会社が競争上の優位性を確立するためには、常に変化する顧客・社会の課題をとらえ、「素早く」変革「し続ける」能力を身につけること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することが重要です。

合理化やコスト減ではなく、顧客や社員のためのDXを
先日、新規得意先の社長様からこんなお悩みを拝聴させていただきました。
「働き方改革で残業もさせられない。LPWAで合理化・コスト削減はいいが、顧客との接点が弱くなる。何かしら手を打たないと・・・・」ガス業界で推進している合理化は何のため?誰のため?のものか考えさせられました。コロナ禍で明確になりましたがLPガス事業者はライフライン事業者ではなくインフラ事業者です。地域の人々が安心安全で快適なくらしができるようなサービスができるガス会社で働いている誇りとやりがいを持てるような働き方ができる会社にしたいと社員やお客様のことを第一に思う社長の優しさと情熱を感じました。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その2>

 今まではデジタルは既存業務の補助でしかありませんでしたが、今後はデジタルを主体とした業務の推進により、効率化・合理化を図ることが求められています。DXに向けた業務の見直しは、今までの業務の矛盾や本質をとらえる数十年に一度のチャンスでもあります。LPガス業界はデータ量が多いので効果が出やすいと考えられます。DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けします。

◆地域の中堅LPガス会社が勝ち抜くために
 LPガス販売会社は、お客様の情報、保安・設備情報、訪問・活動情報、配送・充てん情報、顧客問合せ情報、そしてLPWAからのメーター情報など溢れんばかりの情報を持っています。今後、地域の中堅LPガス会社が勝ち抜くためには情報の洪水を整理・管理・活用することが問われます。情報の活用が戦略に変わり、地域と顧客に密着した経営が実現できるからです。
 すでに、ガス会社のホストサーバーに持っている情報を整理・管理することでWEB請求、LINE活用、IOT活用、基幹ソフトの情報活用、タブレット端末やスマホ活用などで「顧客」を「個客」にすることが可能です。

インターネットとシステムの活用で合理化できる
インターネットとシステムの活用により、検針・集金ゼロ、入退去作業や保安台帳整備の効率化、日報の現地入力、電話受付や事務処理の大幅削減など業務の効率化が図れます。それによって、顧客に応じたきめ細かな営業活動ができるようになり顧客との関係性が強化します。結果、販売成果の向上につながります。働き方改革に対応することもでき、社員満足度も上がり、高生産性の体制がとれるようになりますね。

DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その1>

コロナ禍でのこの1年、何をしてきましたか?これまで対面・集合が慣習であった業務も、オンライン・非接触などに対応することが急務となりました。このように突発的な環境変化において事業継続をするには、場所の制約が少なく、スピーディで柔軟な業務変更が可能なデジタルを活用した事業・業務の形態への変革が不可欠となります。今まではデジタルは既存業務の補助でしかありませんでしたが、今後はデジタルを主体とした業務の推進により、効率化・合理化を図ることが求められています。DXに向けた業務の見直しは、今までの業務の矛盾や本質をとらえる数十年に一度のチャンスでもあります。LPガス業界はデータ量が多いので効果が出やすいと考えられます。DXを活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントをシリーズでお届けします。

◆LPガス業界のDXとコミュニケーション
そもそも、DXとは何でしょう。デジタルトランスフォーメーションの略で、経済産業省の発表によると「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とあり、その阻害要因としてレガシーシステムが取りあげられ警鐘を鳴らしています。
LPガス販売会社は多様な情報に溢れています。例えば、お客様の情報、保安・設備情報、訪問・活動情報、配送・充てん情報、顧客問合せ情報、そしてLPWAからのメーター情報などです。この情報の洪水を整理・管理・活用をしてお客様から選ばれる会社となるための新たなコミュニケーション戦略が勝ち残りを大きく左右する時代が始まりました。





クロスメディアによる新たなコミュニケーション戦略
ソフィア企画ではLPガス会社が持っている顧客情報と当社保有の生活者視点のコンテンツ情報を組み合わせ、タイムリーに旬な話題を提供できる仕組みを構築し、新たなコミュニケーション戦略をご提案しています。従来の紙媒体に加え、WEBや動画サイトなどとクロスメディアの活用ができる仕掛けの導入は転換防止や販売向上・サービス向上に確実につながります。このようにお客様と適切なコミュニケーションが取れるクロスメディアによる新たなコミュニケーション戦略でLPガス会社のDX化の推進をお手伝いしています。

ガス会社だからできる営業を考える<その5>

◆保安点検を活かし住まいのホームドクターに
前号では、ガス会社ならではの魅力的な情報発信をして、リフォーム難民の身近で気軽に相談できる存在になるにはどうしたらいいのかについて考えました。ガス会社だからこそ、住まいのホームドクターにもなれるし、保安点検は「定期健診のための往診」になることもご理解いただけたと思います。また、「施工から工事後のアフターフォローまで、当社が責任をもって行います。○○工務店が施工を行いますが、もちろん最後までお客様とご一緒に大切な住まいづくりに関わって参ります。・・・」と元請けであることの自覚と責任ある行動も忘れてはいけません。そのために、チラシやパンフレットは効果的にお渡しすることが重要です。

◆ガス会社が売りたいものとお客様が欲しいものは違うかも?
最近のお客様は欲しいものをインターネットで検索したり、ショールーム見学をするのでお客様の商品知識はプロ顔負けです。ステンレスかそれとも人工大理石かなどキッチンは素材で選ぶ時代になりました。ステンレスと言えばクリナップ。ホーローと言えばタカラスタンダード。人工大理石と言えばトクラスでしょうか。何でもござれのリクシルやパナソニック。一方、ガス会社が売りたいものは仕切りが安くて利益率が高いもの、施工が慣れているものなど取扱いたいメーカーや商品が必ずしもお客様が欲しいものと一致するとは限りません。お客様を逃がさないためにもチラシには、「記載の商品以外もお取扱いしています!お気軽にお問合せください」ということを明記することが必要です。

◆ガス会社がそんなことできるの?という意外性のあるメニュー
外壁屋根塗装、外構(門扉、フェンス、宅配ボックス)などは「ガス会社がそんなことできるの?」という意外なメニューです。外回りのリフォームの次には内側のリフォームがきっとあるはずです。また、エネルギー効率を提案する内窓設置や防犯用にインターフォーンの取替、LEDへの取替なども小さな工事ですが、満足いただけたならリピートや紹介がいただける「ガス会社がこんなこともしてくれた!」というメニューです。

リフォームしたらアフターフォローを抜かりなく
リフォームを請負ったら、施工後は2~3回/年は訪問しましょう。リフォーム工事のやりっぱなしは、さらなるリフォーム難民を生むことになりかねません。定期訪問することで情報のアップデートにつながります。リピートでの注文や口コミ紹介で顧客が広がるチャンスでもあります。留守がちなお客様に対して、1回の訪問を無駄にしないためにもメッセージカードの活用は有効的です。名刺にメッセージを書くのではなく事前にメッセージカードを準備しておきましょう。

ガス会社だからできる営業を考える<その3>

◆リフォーム事業は何のために行いますか?
ガス会社が住宅リフォームに事業領域を広げるのは至極簡単なことです。自社でできなくても建築会社等とタイアップすれば今日からリフォーム事業は可能だからです。顧客を広げるため、事業のもう一つの柱としての攻めのリフォーム事業。離反阻止のための守りのリフォーム事業、いずれにしても守ることは攻めることになり、攻めることは守ることにもなります。なぜなら、リフォームは情報戦だからです。情報発信・情報取得の工夫でガス会社は顧客関係性の強さを利用して住まいづくりのプロ、工務店になり替わることもできます。
今、ガス会社が取り扱うリフォームは「低価格型リフォーム」と「提案型リフォーム」に大きく分類されますが、この2極化が進んでいます。とにかく安く仕上げたい「低価格型リフォーム」は、ホームセンターがライバルになります。一方、間取りの変更もしてちょっといいものにしたいというリノベーション系の「提案型リフォーム」は住宅メーカーがライバルになります。
ガス会社が取り扱うリフォームの平均単価は30万円とも言われていますが、リフォーム事業としてうま味があるのは100万円以上のリフォームだと言われています。ですから、個性を出して生き残りを図る総合リフォーム会社がこのゾーンを狙っているのです。

◆ガス会社しかできない強みを生かしたリフォーム事業
今日からでもリフォーム事業は可能だとは言え、市場はそれほど甘くはありません。ところが、リフォームをしたくても「どこに頼んでいいのか分からない」というリフォーム難民が意外と多いのも事実なのです。身近に、気軽に相談できる存在になれるような情報発信が
必要だと言えます。
また、リフォームには工期があり、工期中に人間関係ができるチャンスがあるのです。工事を他社に任せる場合でもお客様宅には必ず出向き、お客様とコミュニケーションをとり、次につながる情報をキャッチすることが重要です。

 
 
情報発信こそ、お客様との関係性を強化する!
ガスユーザーさんに定期的に情報を届けていますか?情報は発信するからこそ得られます。ガス器具の情報だけでなく、快適に暮らすための知恵やリフォームに関する知識の提供をしていますか。情報提供を定期的に行うことでお客様との信頼の絆が生まれます。「営業=情報を届けること」です。「今日は、新しい情報をお届けしました!」と情報誌で接点づくりをしましょう。

ガス会社だからできる営業を考える<その2>

◆給湯器をタダにしても大家さんへの本当のサービスにならない
先月号で、賃貸住宅を経営されている大家さんとガス販売事業者は賃貸住宅が満室となるように一緒に考え、協力し合う「共通の目的を持ったパートナー」であると提案させていただきました。
ガス販売事業者の中には、新規開拓で大家さんの歓心を買うために、給湯器をタダで設置するということもよくみられますが、給湯器を新しくしても空室がうまるとは限りません。「給湯器をガス販売事業者にタダで付けさせても、空室はうまらない」ということを大家さんに理解していただき、大家さんとガス販売事業者の利害は一緒であることを繰り返し伝える必要があります。
伝える方法はいろいろありますが、ガス販売事業者の中には、お客様とのコミュニケーションや自社PRのために、ミニコミ誌やニュースレターとよばれる情報誌を発行している会社も数多くあります。一般ユーザー向けとは別に大家さんに特化した情報誌にして、空室対策を含めたさまざまな情報を提供し、大家さんとの共通の話題づくりをすることが接点強化面で有効だと考えます。
 
◆大家さんを取り巻く環境
これまでの経験値や目的、置かれた立場など、大家さんのバックヤードが多岐にわたることで接点づくりが複雑化しています。タイプ別の個性は以下の通りです。


 
 
情報発信こそ、大家さん(お客様)との関係性を強化する!
賃貸住宅を経営されている大家さんに定期的に情報を届けていますか?ガスや業者に対する不安を解消する知識の提供や継続的に取引するための安心の裏付けになるような情報提供を定期的に行うことで大家さんとの信頼の絆が生まれます。「営業=情報を届けること」です。「今日は、新しい情報をお届けしました!」と大家さん向けの情報誌で接点づくりをしましょう。

ガス会社だからできる営業を考える<その1>

◆LPガスユーザーを取り巻く環境
LPガスの切替勧誘を強引な手口で進める悪徳業者の存在により、困惑したりトラブルに巻き込まれる一般家庭のユーザーや集合住宅の大家さんが増えています。


①今のガス料金は適正価格より高いですよ!
⇒LPガス料金が不当であるかのように強調し、現在のガス会社への不信感をあおる切替勧誘。
②今よりもっとガス料金が安くなりますよ!
⇒極端に安くするという惑わされる勧誘業者のセールストーク。
③解約手続きも清算も任せてください!
⇒委任したにも関わらず、解約や清算が行われず二重請求されるトラブル。


①三種の神器(給湯器・エアコン・Wi-Fi)を無償ですよ!
②配管工事代も無償ですよ!
③ガス料金ももちろん安くなりますよ!
④設備が新しく整えば、入居率がアップ!空き家対策にもなりますよ。
⑤委任状をください!こちらですべて手続きします。
⇒賃貸住宅の大家さんは消費者保護の範疇外となります。
⇒好条件を提示される契約には相応の縛りがあります。
⇒契約内容やトラブルの事情を知ることが重要です。

◆LPガスユーザーがガス販売事業者に求めること
1.不安の払拭
ユーザーにそれぞれが抱える、ガスや業者に対する不安を解消する正しい知識を提供する。

2.安心の担保
継続的な取引に優位性や料金の透明性・設備保証など安心の裏付けを示す。

3.信頼の絆
定期的な接点を可能とし、継続した感稀有性を維持できる対面機会を創る。

共に「満室経営」を目指しましょう!
賃貸住宅を経営されている大家さんは、入居者があり、月々の家賃を支払ってもらうことで投資が回収できます。一方、ガス販売事業者にも、ガスを供給している賃貸住宅に入居者があり、月々のガス使用量を払ってもらうことで売上が発生します。このため、大家さんとガス販売事業者は賃貸住宅が満室となるように一緒に考え、協力し合う「共通の目的を持ったパートナー」です。

タイミングで成功する人、失敗する人<その7>

タイミングで成功するコツ
仕事の質だけが成果を左右するとは限らない。成功に導くか、失敗を招くかはタイミングをいかすかどうかにかかっているといえる。せっかくのよいアイディアを眠らせないために、また、交渉・説得をスムーズに進めるためにはタイミングはどうはかったらよいのかなど、数回に渡って考えてきたが今回はタイミングで成功するコツをまとめてみた。


日本語で「間抜け」というのは「気がつかないでばかげたことをすること。また、その人」(岩波国語辞典)と説明されている。要するにうまく『間』をつかまえられない人ということになる。タイミングよく仕事を運べなかったり、自分がチームのパートを務めないと、間抜けということになる。
この『タイミング』が重要な場面はビジネスでは毎日のように起こる。大きな戦略的なタイミングから小さな戦略的なタイミングまでいろいろある。その基本のポイントは、

①時の大きな流れ
②社会、自然界、人間行動に見られる時間帯
③関係相手との対応
④熟成に必要な期間

以上の4要件を何か実行する場合にはまず考慮することが重要だ。
もちろん、応用力も問われるが、いつもタイミングを考えることが不可欠である。


タイミングの重要性が分かっていても、タイミングで失敗する人がいる。それはこんな人だ。

①性急な行動に出る人
②計画変更を不意に、平気で行う人
③ネガティブ・アプローチをとる人(物事を消極的に捉える人)
④相手の都合、状況を考えない人、自分本位の考えをする人
⑤周囲の状況、環境の変化を知らない人
⑥世の中の流れの法則を無視する人
⑦コミュニケーションの下手な人 ということになる


タイミングをうまくつかまえる人とは、タイミングに失敗する人と裏返しの人ということにもなる。タイミングのつかまえ方の上手い人にはタイミングの意識が強い。その意識の源泉は何か。それは自分の人生、仕事を通して目的、願望、人生設計といったものを常日頃、明確かつ具体的に描いていることにある。自分の人生計画、願望、目的をうまく達成しよとして必要な情報をとらえ、チャンスを求めようとする。それがその人のタイミング意識を作動させ、タイミングの把握、活用度を向上させることになるのである。

タイミングで成功する人、失敗する人<その6>

内容だけでは勝負できない交渉・説得のタイミング

自分の任務・仕事をすすめていくうえで、交渉・説得のプロセスはビジネスの場では不可欠である。任務・仕事が困難であればあるほど、この交渉・説得には気をつかうものである。では、商品や企画を売り込むうえで、仕事に協力してもらったり、困難な任務を引き受けてもらうために、上司、部下、仲間、取引先、顧客などを相手に常に交渉・説得しなければならないが、そのタイミングをつかむのにはどうすればよいのか。



交渉や説得にはタイム・リミットがある。このタイム・リミットを念頭にいれて、交渉・説得のスケジュールを描いてみると、タイミングをつかむことができる。交渉・説得にはどのようなプロセスをふんでいく必要があるのか、必要なプロセスも具体的に書き出してみる。どのような雰囲気作りが必要なのか、根回しは誰にいつまでに行うべきかといったことも調査し、交渉・説得までのスケジュール、必要な準備行動を書き込み、スケジュールをみながらタイミングをつかまえてみる。周到な準備づくりが交渉・説得のタイミングを用意してくれるといってよい。
タイム・リミットまでに交渉・説得できなければ失敗となることを念頭に、交渉・説得の条件、手順を詰めておくと、タイム・リミットまでに目的を達成しうる可能性も高まる。



相手が心理的にも肉体的にもYESといえるような状態にあるときに交渉・説得するのが一番よいタイミングといえる。相手が何かに成功しているとき、活気に満ちているときなどは一般的に説得のよいタイミングといえる。「気を制する」という言葉がある。売り込んだり、強引に説得したり、交渉するときに使う手である。相手に抵抗する余裕を与えない。先制攻撃をかける。スキをみて積極的に打って説得する。これらもタイミングの問題である。



相手が交渉・説得される事項について理解、了解している度合いが高ければ高いほど、交渉・説得しやすい。事前工作を充分行い、相手の理解度が深まった時を見極めて交渉・説得するのがよい。これが交渉・説得に成功するタイミングである。事前説明を誰かにしてもらったり、情報を流しておくようなことがこのタイミングづくりに役立つ。根回しは日本人の交渉・説得のタイミングづくりの知恵である。

タイミングで成功する人、失敗する人<その5>

ただ開くだけでは有効な会議にはならない

日本のビジネスマンは1日の勤務時間のうち、課長になると40.2%、部長は42.0%、役員は42.6%と役職があがれば上がるほど会議や打ち合わせのために時間を使っているという。会議や打ち合わせのために約4時間も使用しているが、すべての会議や打ち合わせが効果的に行われているわけではない。タイミングという視点から会議や打ち合わせを効果的に開催するにはどうしたらよいのか。


会議や打ち合わせには定期的になっているものが多いので、全員が出席できる確率が高い日にあらかじめ設定するのがよい。これは会議メンバーのスケジュールの中に会議の日程をあらかじめ織り込ませることによって会議のタイミングをつくりだすので効果的である。毎週、毎月、何曜日の何時という具合に定例会議の日程を決めることによってタイミングの先取りをするわけである。
定例日をあらかじめ決められない場合には、会議が終了したら散会前に次回の開催日を決めてしまうのがよい。その場合、2,3回先の会議日程もその場で調整しておき次回にその日程を確認するのもよい。議題に「次回開催日の確認」も上げておくと、この確認を忘れなくて済む。一般のビジネスマンは、週のスタートや終わりの月曜日や金曜日は打ち合わせや事務処理に追われることが多い。定例的な会議の開催は一般的にいって、月曜日と金曜日を避けるのがよいようだ。
突然、会議を招集しなければならないことも多い。日程調整をうまくやり、会議がタイミングよく開催されるようにするには関係者の行動スケジュールを互いに把握しておくことで、タイミングよく会議や打ち合わせのスケジュール調整ができる。


気楽な非公式の打ち合わせ、予備会議のようなものは、スキ間時間に行うと効果があがるし、関係者も集まりやすい。通常は出勤前の1時間とか、ランチタイム、あるいは終業時等、何か行動を起こしたり、終了したりするときに生まれるスキ間時間の活用である。ちょっとした打ち合わせはランチタイムやコーヒータイム等、スキ間時間に何かしながらというのが効果的で人も集まりやすい。


会議や打ち合わせは必ず打ち切る時刻を決めておく。タイミングよく打ち切るには、会議を始める前に打ち切り時刻を確認しておくこと、そして、15分前と5分前に打ち切り時刻を確認するとよい。この予告をすることで定時にタイミングよく会議を終えることができる。

タイミングで成功する人、失敗する人<その4>

商品がよいだけでは競争に勝てない

いかに品質の良い商品あるいはアイディア商品でも、発売のタイミングが悪いとよい成果を上げられない。
10年くらい前にある商品を開発・販売した。当時はアイディア商品と騒がれたが一向に売れなかった。数年後に手直しして再発売したら品不足になるほどの売れ行き、という話もよくある。これはタイミングの問題。同じことが新規事業や新企画のイベントを実行するときにもよく起こる。以下の基本ポイントをつめたら、具体的な実施スケジュールを作成し、もう一度タイミングを見てみることが重要である。

市場調査は単に目先の需要をとらえるのではなく、市場の環境条件も調査してみる必要がある。その新商品が時流にマッチしているかどうかの判断も重要である。
マーケットを絞り込んでとらえてみる必要もある。マーケットを具体的に絞り込んで市場調査するとニーズがいつ頃起こるのか判断できる。地理的に把握する場合は、ある地方ではその製品の発売は8月の方がよいとか、3月の方が新製品発表のタイミングとして最適といった具合にわかってくる。
 
 

競争相手の営業活動を調査して、どういう場所で、どういう時期に営業活動を活発にしているのか、情報を集め分析しておく必要がある。多くの場合、そこにはスケジュールが存在し、反復性がみられる。
競争相手の癖から見て、自社の新製品の発表時期は先手で行くのがよいのか、競争相手の発売から遅れてしばらくして出すのがタイミングとしてよいのかということも検討しておく必要がある。リスクの高い製品、先のあまり見えない市場に進出する場合には、競争会社が市場創造をしてくれるのをみて、こちらの新製品を発売するという手がよく用いられる。
 
 

新製品が首尾よく開発され、マーケットも熟しているのに、社内の準備態勢ができていないために、新製品の発売に失敗したという例がたくさんある。せっかくのタイミングを失う大きな原因はしばしば、「社内」にある。販売チャンネルが準備されていないとか、セールスマンの訓練不足とか、宣伝が行き届いていないことがその一例である。発売時期を決定したのに生産設備が間に合わなかったとか、生産に必要な資材、部品が入荷しなかったために発売が遅れ、勝機を失ったというケースはいくらでもある。新製品の発売のタイミングは社内の有機的なプレー、リンケージの良さによっても作られるということをいつも留意する必要がある。
 

タイミングで成功する人、失敗する人<その3>

企画案がよいだけでは成功しない

今までと同じことをやっていては、企業は活力を失い、競争に負けてしまうことになる。「創造」の源泉は企画作りである。また、企画案は必ず、上司や関係者にプレゼンテーションして、了解・協力を得て進める必要がある。その企画作りやプレゼンテーションに成功するのにもタイミングが非常に関係してくる。

アイディアは何日か熟成させる
よい企画だと思ったらひとまずその企画をねかせてみるとよい。企画を成功させるためにはいろいろな付帯条件を準備する必要があるが、この付帯条件を検討しないままに企画を実行に移して、あるいは上司や関係者にプレゼンをして失敗することがよくある。企画をよく練っていないために問題点ばかり指摘されて、せっかくの良い企画も採用してもらえないという羽目に陥る。
アイディアは熟成させると実行するのに必要な条件やタイミングも見えてくるものである。2,3日放置して再検討してみると単なる思い付きのアイディアで実現不可能であることが分かるということもある。2、3日置いてみると論理に不備なところや調査不十分なところ、それに誤字脱字が目に付くというケースもある。特に戦略的性格の濃い企画案はこの熟成が必要である。熟成は良いタイミングを生み出すための触媒みたいなものかもしれない。

2の手3の手を考えておく
よい企画であるかどうかは企画を実施する状況次第である。状況が変われば、良い企画案にも手直しが必要になったり、企画案そのものがボツにもなる。企画が承認されるには、その企画を実施するタイミングであると判断されるということになる。しかし、このタイミングをはかるのはなかなか難しい。そこで、企画案を作成する場合に、予測される状況変化に対応した実行手段を複数案用意しておく。
戦略的な企画である場合には特にこの点が重要である。失敗した場合に
備えて次の一手が用意されているとなれば、その企画は結局のところ、
タイミングを失わずに実施されることになる。

あらゆる要素を吟味する
プレゼンのタイミングは関係者への事前の根回しと、プレゼンの場所、時間、プレゼンを受ける人の心理状況でも左右される。もちろん、プレゼンの中味も大事ではあるが、環境条件ができていないとせっかくのよいプレゼンも成功しない。企画案をつくるときにプレゼンの方法、環境条件も考えておくと、プレゼンテーションのタイミングは一段と向上する。

タイミングをつかまえる条件

タイミングで成功する人、失敗する人<その2>

成功はいつまでも続かない<撤退・転換のタイミング>

撤退は前進より難しいといわれるが、ビジネスでもいつまでも成功し続けることはないし、物事には寿命のようなものがあるから徹底というアクションの必要性はいつでも起こりうる。一つの事業からの撤退、ある商品の発売中止、ある市場からの徹底という現象が繰り返されて企業は存続する。

1.商品や事業には寿命がある
新商品を開発・発売したとき、新事業に進出した時、新しい工場を建設したときに、いつでも最初から撤退の時期を想定しておく。多くの場合、人は成功すると、その成功はいつまでも続くと錯覚をおこしやすい。新商品が当たるとそれに夢中になりその商品が売れなくなることを忘れてしまう。
残念ながら一つの成功がいつまでも続くということはない。盛者必衰の例の如く、必ず多くの物事はピークに達すると降下する。商品にも事業にもライフ・サイクル(寿命)があることを念頭に置き、新しいことを考え行動すれば、タイミングを失わず、痛手、損失を最小限に抑えることができる。

2.社会の変化が撤退のタイミング
経済、政治、社会にも大きな流れがあり、その流れに大きな転換期が起こることがある。会社にも大きな転換期がある。また、歴史の流れには節目がある。こういう節目は撤退のタイミングである場合が多い。この場合撤退=転換期と考えてもよい。世の中の流れが変わったのだから、こちらもそれに合わせて変化=転換すると考えるわけである。新製品や新事業の方向を変える場合にはこの転換期を選ぶ必要がある。

3.節目を自ら作る
何か仕事をするときにはこの期間内でこれだけの成果を上げたら、その時には必ず撤退、転換をするとあらかじめ決めておく。すなわち「任期」を決めて仕事につくというやり方である。もちろんこの「任期」=タイム・リミット前に撤退しなければならない場合が発生する可能性はある。しかし、このタイム・リミットをあらかじめ定めておくと、いつまでもずるずると流れに流されて「引き際」を失うという危険は減少する。
10年間住んだらこのマンションを売って次の一戸建ての住宅に住みかえるとか、60歳になったら社長の座を譲るべく後継者を育成するといったようにタイム・リミットを決める。タイム・リミット=節目を自ら作り、転換していくと事業、仕事、人生も活性化してくる。

◆タイミングをつかまえる条件
①最初から撤退の時期を想定しておく
②大きな転換期をとらえる
③タイム・リミットを決めておく

顧客満足度経営を考える<その4>

☆顧客満足を高めるポイント
1.顧客満足へと結びつけるステップは
①知ってもらう   (広告・チラシ・ホームページ・見本市出展・ニュースリリース→記事化)
②関心を持ってもらう(事例紹介・メルマガ・看板広告・プレゼントキャンペーン)
③試してもらう   (試供品提供・見本市)
④期待してもらう  (事前メール・招待状・カウントダウンイベント)
⑤驚いてもらう   (店頭セール・来訪イベント・自社ショールーム)
⑥買ってもらう   (特別割引・景品・会員割引)
⑦使ってもらう   (利用機会提案・組み合わせ提案)
⑧楽しんでもらう  (付帯サービス・他社サービス連携・ポイント制度)
⑨教えてもらう   (アンケート実施・口コミサイト・商品開発参画)
⑩また買ってもらう (次回利用クーポン・ポイント制度・ニュースレターDM)
⑪拡げてもらう (口コミサイト・紹介制度、紹介レター・事例紹介)

2.顧客満足を生む演出の切り口 <省くサービス>
顧客満足を生む演出は付け加えるだけが+αとは限りません。お客様が「こんなことをして欲しいなぁ」という事前の期待を「こんなことだけでもいいなぁ」と期待を小さくしたり、省くことも+αになります。
<例>・簡易プラン  ・機能限定メニュー  ・条件付きサービス  ・わけあり品提供  など
事前の期待を下げて置き、実際のサービスは通常でも、+α感があるので満足度が高まるのです。

3.顧客満足を生む演出の切り口 <限定による演出>
数量限定、期間限定、会員限定、あなただけ、など、「限定」の仕掛けを盛り込む演出も顧客満足を生む演出になります。選ばれた感と希少性で、顧客満足度を高めるからです。

4.顧客満足のプラスαを継続させるための11の方向性

顧客満足度経営を考える<その3>

☆顧客満足度が高い企業・人に共通する特徴
顧客満足度が高い企業やお店に共通する特徴として、挙げられるのは「徹底的な細部へのこだわり」です。顧客満足度が高いという状態をつくるというのは、いわば、普通の人が思う期待値を超え続けるということになります。よって、「ここまでは普通やらないでしょう」ということを追求していくことになります。
では、顧客満足度を高めるために、何にこだわるべきなのか。この「何にこだわるべきなのか」というところは、その企業やお店の理念やコンセプトに依ります。つまり、誰をどんな理想の未来に連れて行きたいのかという部分です。要するに、細部へのこだわりというのは、その企業やお店の哲学(何を大事にしたいのか)によって変わってくるということです。
ですからまずは、「誰をどんな理想の未来に連れて行きたいのかを描くこと」から始める必要があります。そして、どこに徹底したこだわりを持つのかということを考える際には、商品・サービスの提供価値を分解するのも役に立ちます。提供価値というのは、顧客に価値を感じてもらえるポイントすべてのことです。

☆顧客の求めているものを探るために
顧客満足を高めるためには、当たり前のことですがまず第1にお客様との対話が大切です。
なぜなら、「事前の期待」がわかっていれば、顧客満足度を高めるために何をするべきかわかるからです。
そのためにもお客様と対話を!

顧客満足を高めるには第2に大好き/大嫌いに注目することも大切です。自社のサービスや商品購入の利用頻度の高いヘビーユーザーには大好きになる何か強い理由があります。反対に利用頻度の低いお客様にも大嫌いになる何か強い理由があるからです。ですから、特に大好きな人、大嫌いな人という両極端の人との対話を大切にすることで顧客が求めているものを探ることができます。

顧客満足を高める第3にはアンケート結果で確認することも大切です。世の中で実施されたアンケート調査がありますのでネット上で公開された調査結果を参考に自分の思い込と違っていないか確認したり、生の声を数字的におさえることも大切です。

ネットで公開されて調査結果を網羅するサイト~「調査の力」https://chosa.itmedia.co.jp/

顧客満足度経営を考える<その2>

☆「経営」とは・・・いいものを、継続できる仕組み
企業にはいいものをつくる、社会に役立つものを提供するなどの使命がありますが一瞬の良いものをつくるだけでなく、顧客からリピートしてもらえるような継続できる仕組みにすることが基本的な考え方です。

☆「顧客満足経営」・・・顧客満足を継続し、働きがいや収益にも貢献する
お客様の側面から考えると、よい商品・サービスを提供すればお客様が満足します。(顧客満足)その結果、お客様から好評価を得られること【価値創造】が、まだ知らないお客様を新しいお客様にする。(顧客満足)そのお客様がリピート客(ファン)になることで【顧客創造】に繋がります。顧客満足経営とはこの循環を継続できる仕組みにすることです。
同じように働く人の側面から考えると、いいものをつくるために材料を仕入れ、加工し、販売・営業する【生産工程】ことでお客様からは「ありがとう!」という(顧客満足)が期待できます。
働く人は給料などのお金を手に入れ、自己実現できるようになると働き甲斐などの心理的満足が得られます。【労働環境】もちろん、顧客満足はお金の側面から考えても、顧客満足が得られるよい商品やサービスを提供すれば利益を生み、新たな設備やノウハウに投入できる資金が調達できます。

顧客満足度経営を考える<その1>

☆「期待を少しだけ超える」=顧客満足とは
顧客満足度とは、人が物やサービスを購入するときに、その購入したものに感じる何かしらの満足感のことをいいます。「顧客は満足を感じたときに物品を購入する」ということをベースに考えられた概念で、企業ではその度合いを評価することで、新しい商品の開発につなげることもあります。
顧客満足度の定義は、「顧客がサービスを受ける前に抱く事前期待を、サービスを受けた後の実績評価が上回ったときに得られる」ということだと考えてもよいでしょう。大切なのは「顧客満足度は絶対値ではない」ことにあります。事前期待と実績評価の「相対値」によって顧客満足度は決定されます。そのため、お客様の「事前期待」を掴まないことには顧客満足は得られません。

☆顧客満足度はお客様に喜んでもらうこと……ではない
顧客満足度は事前期待と実績評価の差ですから「いかにお客様に喜んでもらうか」のみに焦点を当てている場合には、顧客満足を高めることはできません。たとえば、ガス器具を店頭で大幅に値引いてくれたので購入したものの、帰宅後にインターネットで価格を調べたら、さらに安く販売している店舗が多数あった、という場合には実績評価は高まらず、顧客満足度も高くはならないということです。

☆事前期待を把握することの重要性
顧客満足を得るためには、事前期待より実績評価が高いことが重要です。事前期待より実績評価が低い場合にはお客様の満足度は上がりません。これをサービスの定義で考えてみると「人や構造物が発揮する機能で、ユーザーの事前期待に適合するものをサービスという」ということに当てはまります。つまり、事前期待に適合しないものはサービスとはいえないのです。
お客様から喜ばれるという勝手な思い込みから生まれたサービスでは、かなりの割合で余計なお世話だと思われてしまいます。事前期待を掴まないことにはサービスとして成り立たず、顧客満足は得られないということです。
顧客満足を上げるためには、顧客が求めている事前期待を知ることがより重要であり、ここが理解できているかどうかが顧客満足の向上につながる重要なポイントとなります。さらに、事前期待を知るためには、顧客ニーズを知ることが必要です。顧客ニーズは、その顧客が持っている欲求・要望・需要であり・どのようなニーズがあるのかがわかれば、事前期待も把握することが可能です。

☆実績評価を把握することの重要性
もちろん、事前期待を把握することと併せて、実績評価を把握することも大切です。実績評価を把握することは、より良い商品やサービスの開発につながります。顧客アンケートや口コミなどにより、自社の評価を把握し、改善を重ね、フィードバックを得ることにより、さらにブラッシュアップさせていくことが可能となります。

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その18>

◆真にお客様から選ばれる企業となるために(2)

目指すは「生涯顧客化」
・・・価格・サービスのすべてがトップレベルでないと、お客様から選ばれないわけではない!

電力・都市ガスの自由化を機に、エネルギーに関する消費者行動は大きく変わりました。「供給業者を選ぶ」という意識が覚醒し、「敢えて選ぶ」行動をとるお客様が増えたということです。多くのLPガス販売事業者様が、今まであまり意識をせず自社のエネルギーを使っていたお客様に自社を意識して選択してもらうために新料金プランやサービス、特典を設けるなど様々な生き残り策を駆使し「改めて自社のエネルギーを選んでよかった感」を創出することに努力されています。
お客様にとって、価格、料金メニュー、サービスの提供などのリーズナブル感は確かに心を動かす要因にはなりますが、「どんな時でも、どんなことでも、あなたに〇〇〇してもらいたい」と言ってもらえる関係(強固なラ・ポール)を作り出すことの方がより重要なのです。
お客様の価値観やニーズは多様化しています。価格・サービスのすべてがトップレベルでないと、お客様から選ばれないわけではないのです。衣類、食品、自動車、家具、電化製品・・・・どんな商品でも多くのお客様に購入していただきたいという思いはありますが、一般に商品にはターゲット客が設定されて、商品開発やプロモーションを行うのが常識です。
ガス販売事業者は今まで、「顧客を囲い込みたい、ワンストップサービスを提供したい」など供給者発想で今まで、販売事業をしてきました。今後、お客様から「この事業者に頼みたい、そして、どんなサービスでも頼みたい!」とそのお客様にとって、「何かにつけ、頼られる存在」になる顧客発想での営業が生涯顧客化への鍵となります。
生涯顧客化にはお客様のご要望にはできるだけ何でも承ることが信頼される秘訣です。何でも承ると言ってもすべて自社で内製化する必要は全くないのです。ですから地域内で地産地消の理念に合致する事業者と手を取り、地域内協業体制をとればいいのす。また、すべての仕事を同じ利益率にする必要もありません。お客様から「あなた」に何でもまとめてお願いしたい!と言わせるような「暮らしのポータルサイト(かかりつけ)」となることが地域密着型の企業がとれる生き残り策といえましょう。


今まではLPガス事業者は地域密着型の企業だといわれてきましたが、今後は地域密着版プラットホーム事業を制する者が地域を制すると言っても過言ではありません。

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その17>

◆真にお客様から選ばれる企業となるために(1)

目指すは「生涯顧客化」
・・・お客様からイロイロなお仕事を受注することで、お客様との信頼関係をより強固にしよう!

 一般に広域型の大手LPガス事業者はできるだけ多くの需要家を抱え、エネルギー供給を軸にLPガスだけでなく、大企業型の電力小売り事業や利殖目的の再生可能エネルギー事業なども手掛け、「販売量=安い料金」を武器に事業展開しています。一方、地域性の強い中小LPガス事業者は地域に根付いて、地域の発展に貢献するという発想を持って多くの事業者がお客様との信頼関係をより強固にする努力をしています。
 いずれにしても、どちらの戦略も顧客から信頼を得て、いろいろなビジネスの起点にできているかが重要です。「地域密着企業として生き残る!」という言葉をよく聞きますが、地域に根ざすから生き残れるわけでもなく、顧客接点が豊富なだけでは強みにならないということを理解する必要があります。
 電力・都市ガスの自由化を機にエネルギーに関する消費者行動は大きく変わりました。自由化前は、電気は地元電力会社で当たり前、都市ガスにするなら地元の都市ガス会社で当たり前、LPガスは特に吟味して事業者を選んだわけではなく、事業者を選べることすら知らないお客様も多く、どれもお客様に「供給業者を選ぶ」という意識が希薄でした。ところが、自由化によって、お客様に「供給事業者を選ぶ」という意識が覚醒し、「あえて選ぶ」行動をとるお客様が増えてきたのです。
 これまで、あまり意識せずに自社のエネルギーを使っていたお客様に自社を意識して選択してもらうために、新料金プランや新サービス、特典を設けて「改めて自社のエネルギーを選んでよかった感」を創出し、多様なお客様の選択条件(ニーズ)に応えていかなければなりません。
 親世代から子世代へ世帯主が交代することによって、親世代に通用していたガス屋流の仕事の仕方は今後、通用しなくなります。例えば、高くても信頼のおけるガス屋さんから器具を購入するとか、敷地内に立ち入って隣家のメータを検針させてくれるなど今まで日常的に融通が利いていたこともできなくなる可能性があります。
 反対に、高齢者世帯は馴染みのガス屋さんにガスやガス器具だけでなく暮らしのお困りごとを一括してお任せしたいと考えるお客様も少なくありません。「誰がエネルギー選択権者か」をよく見極めて対応を図ることが肝心です。
 ただし、価格、保安、サービスのすべてがトップレベルでないと、お客様から選ばれないというわけではないのです。お客様があえてスイッチするほどではないと思えるような価格・料金メニュー、サービスの提供といったリーズナブルさに、「どんな時でも、どんなことでもあなたに〇〇してもらいたい」といってもらえる信頼関係を作り出すことが「生涯顧客化」の鍵となります。


資本力のある広域型の事業者が攻めてきた時に、「ココはダメです。歯が立たない!」といわれるような戦略、戦術を考え、実践しましょう。「どんなことでもあなたに〇〇してもらいたい」といってもらえる信頼関係を築くことは地道なコミュニケーション戦略で可能になります。

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その16>

◆業界全体でLPガス需要の負のスパイラル化に歯止めをかけよう!(3)

 LPガス需要の負のスパイラルを「望ましいスパイラル」に変化させるためには、自助努力により、料金を引き下げる原資を捻出し、お客様にガス需要増につながる機器を愛用してもらう工夫をすることでしたね。

では、ガス需要増につながる機器を拡販するだけでいいのでしょうか?また、省エネを否定するような需要開発もNGですよね。

 ハイブリット給湯器はお客様にとってはエネファームより、低価格で光熱費が削減できる(省エネになる)良い商品です。ところが、ガス販売事業者にとってはガス販売量が減る商品でもあります。

料金メニューが標準的な「基本料金+単一従量料金」だけのメニューの場合、省エネ機器の販売がガスの販売量を減らすことが直接、経営に響いてくることになります。


 そこで、「基本料金+単一従量料金」という単純設定から脱却して器具の需要特性に合ったガス料金メニューがあってもいいと思います。クレームをつけられたお客様に対して確たる根拠もなく、個々に料金を設定して何十年も販売活動をしていった結果、説明不能な何重もの料金メニューがあることは是正しなければならないことであります。

 よって、標準的な料金メニューや料金水準を示すことと「基本料金+単一従量料金」を標準料金メニューとして採用することは全く、別の問題であり、必ずしも「基本料金+単一従量料金」だけのメニューだけにする必要はないのです。




都市ガスの場合、特に条件がなく、誰でも選択できる一般料金のほかに、ある条件に合致する場合に適用する料金メニューがあります。これは顧客に「選んだ感」が生まれ、他社へのスイッチ防止になると思います。LPガス料金も需要特性や機器特性、消費者特性に合った多様な料金メニューが顧客囲い込みの武器になると言えます。

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その15>

◆業界全体でLPガス需要の負のスパイラル化に歯止めをかけよう!(2)

 ガス料金が高いからブローカーに狙われる。かといって単純に、料金を下げれば収益が悪化する。だから、料金を見直さない。何もしなければ需要家も減り、経営が益々、悪化する。いつ、商権を売却したらいいのか?ガス屋なんて魅力ないなぁ!しんどいだけだ!などとぼやいている人も少なくありません。業界全体で、LPガス需要の負のスパイラル化に歯止めをかける必要があると思いませんか?

 ガス料金が高いガスを使わないガスの使用料が減少するガス収益が悪化するガス料金を上げることになり、結果、お客様は「ガス料金が高いからガスは使わない!」という負のスパイラルになりがちです。この負のスパイラルを「望ましいスパイラル」に変化させるためにはどうしたらいいのでしょうか?


 1、自助努力により、料金を引き下げる原資を捻出する
 2、ガス需要増につながる機器を愛用してもらう工夫をする

この2点をマストとしたなら
 ガス料金が安いガス料金を気にせず便利な機器を愛用してガスを使うガス使用料が増加するガス収益が好転するガス料金を下げられることになり、お客様にはガスを使うことで快適な生活を提供できることになり好循環につながります。

 ここで、注意したいのは只々、ガスの需要増につながる機器を拡販すればいいというわけではないということです。ガス式の衣類乾燥機は業界でも拡販に努めていますので前年対比114%(LPG仕様)と確かに伸びています。電気式の衣類乾燥機(洗濯乾燥機)は販売されてはいるものの、思ったよりユーザー評価が高くないことが「乾太くん」の好調な売れ行きを後押ししているからです。
好調とは言ってもこれは、成り行きの好調さに過ぎないのです。
 売り手のガス屋さんには
「乾太くんは使ってもらえば良さが分ってもらえるので、高い買い物をさせている」とは考えない。
ところがユーザー評価は
「新設の場合、ガス栓を設け、洗濯機の上にユニットを組み、排湿筒工事をして設置するためガス屋さんに頼まなければできない。この材工込の設置費用はやや高い」と思われているのが現状です。

売り手のガス屋さんとしては、「乾太くんは使ってもらえば喜ばれることはわかっているが、設置の問題や販売単価・手間などを考慮すると、誰にでもプッシュするガス器具ではない」と思ってしまうということでしょうか?乾太くんをもっとたくさん売るにはどうしたらいいのか?と拡販することを考えるのではなく、「できるだけ多くのお客様に」「洗濯物を短時間で乾かせる価値」を提供するにはどうしたらいいのか?と生活者視点で発想してみることが大切だと思います。

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その14>

◆業界全体でLPガス需要の負のスパイラル化に歯止めをかけよう!(1)

  自由競争が激しくなるということは、お客様の立場から見れば、選択力(能力・条件)が強まるはずでした。ところが、お客様は自分が購入している業者の料金について、14条書面や、月々の検針票、請求書を通して、料金情報(料金体系、使用料、価格改定のお知らせ等)をお知らせ、説明されなければ理解も納得もできません。また、ホームページや店頭掲示などを活用して、戸建住宅や集合住宅等別々に、標準的料金メニューを公表されていなければ、他社を選ぼうと思っても、選びようがありません。

1.料金を公表することによって、他社からの攻撃に遭いやすいと考え、形式的に標準的な料金メニューの  公表だけに留め、お客様に知らせないことで自社が生き延びる道を選ぶのか?
2.戸建と集合など従量料金単価が異なる等、お客様によって差異理由が説明でき、積極的な料金情報の開   示で、お客様に知ってもらうことで真に選べる環境を整えながら自社が生き延びる道を選ぶのか?

 LPガス販売事業者が選択の岐路に立たされているのは確かです。女性が主体のコミュニティでの旬な会話を少しだけご紹介しましょう。


「プロパンって、お店によって料金が違うんだって!知らなかったわ」
「公共料金じゃないの?」
「イマドキ、何を言ってるの?電気や都市ガスだって業者によって違うらしいわよ!?」
「電力会社でガスを一緒に買うのと、ガス会社で電気も一緒に買うのとどっちがいいの?」
「うちはプロパンだから・・・電気とガスを一緒にしておトクにはできない。」
「あれ!?確か、プロパン店でも電気の申し込みしてるよ!」
「そんなの、それこそ、お店や会社によって違うんじゃないの?」
「そう、そう!だから、何もしなくて今のままでいいのよ!」
「おかしな勧誘で詐欺に遭うのも嫌だしね」
「世の中情報、多過ぎ!」
「いや、いや、正しい情報が少なすぎ、なんでしょ!だから、信頼できる人の話しか信用できない」
・・・・続く・・・・この後は退席したので不明です。



「信頼できる人の話しか聞かない!」
契約内容によって異なるガス料金と同様に契約内容によって異なる電気料金が組み合わさると、ますます、複雑になり結局、お客様が業者選択やプラン変更などしたくてもできないのが現状です。実際にはお客様毎に料金シュミレーションをしないと本当にオトクかどうかはわからないことになります。料金だけでなく、サービスや商品、生活情報などお客様自身に選択をしてもらえる環境を整え、しっかり情報開示することでお客様から信頼を得ることに繋がります。

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その13>

電力・都市ガス小売り全面自由化によって、LPガスも含めて、家庭用エネルギーの業者選びについての質問や、一般消費者向けのセミナーのご依頼を受けるようになりました。今回もお客様目線で考えたいと思います。

◆賃貸集合の入居者はガス屋を選べない

 知り合いの息子さんからの相談です。「なぜ、LPガスはこんなに料金が高いの?ガス屋さんを替わりたいからよいお店を紹介してもらえないか?」というものでした。お住まいのエリアに弊社のお得意先もあるので「良いですよ」と簡単に返事をしたものの、話を聴いたら集合供給の賃貸アパートにお住まいだったので、オーナーさんが選んだガス屋さんとしか供給契約を結べないことを説明しました。
 不動産屋さんからは「こんなに設備が整っているのに家賃がお安い物件は一押しですよ」と言われて契約したそうです。ところが、毎月のガス代にビックリ!
間違いなく、LPガス販売事業者がガス消費機器やエアコン等の付随設備の設置費用を負担してガス料金で転嫁・回収している物件であることは業界人ならすぐに分ることです。LPガス販売事業者は賃貸集合のオーナーさんの設置費用負担に応えないと供給権が得られないので泣く泣く、要求にこたえ、かつ入居者のガス料金で回収するわけです。ところが、入居者にはそのからくりは説明されていない。場合によっては当該設置費用の償却が終了していても、高いままのガス料金を払い続けることもあるわけです。
 結局、この知り合いの息子さんは「ガス屋を選べないなら転居するしかない!」と結論を出されました。オーナーさんは入居率を上げるために設備投資をするのですが、LPガス販売事業者に供給権と引き換えに設備費用を負担させるからしょうがなくLPガス販売事業者はガス料金に転嫁する。だから、入居者が高いガス料金に驚いて転居する、「LPガスは高いから、新築する時は都市ガスもしくはオール電化にしよう!」という堅い決心をさせてしまう。



本来、建築費用として負担するべき費用がエネルギー代に含まれるようになるというこの商取引慣行を是正しないと、LPガスの価値を下げることになります。また、業界全体で是正しない限り今後、人口減少やアパートの供給過剰に伴い空き家率の上昇が予測される賃貸集合住宅市場において、アパート間競争が激化し、設備重点してくれるLPガス事業者への要求もエスカレートすると思われます。

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その12>

電力・都市ガス小売り全面自由化によって、LPガスも含めて、家庭用エネルギーの業者選びについての質問や、一般消費者向けのセミナーのご依頼を受けるようになりました。今回もお客様目線で考えたいと思います。

◆商品の取引における情報の非対称性とは

 市場では「売り手」と「買い手」が対峙していますが、一般には売り手がほぼ一方的に情報を保有し、買い手は十分の情報を保有できないことが多いのではないでしょうか。エネルギー業者の切替営業の場合も売り手(切替業者)は商品の品質に関する豊富な情報を所持しています。一方、買い手(お客様)は商品の品質に関する情報をほとんど保有しておらず、売り手(切替業者)からの説明に依存するしかありません。
 しかし、売り手(切替業者)には商品の正しい品質を買い手(お客様)に伝えるインセンティブがないため、買い手(お客様)は商品の品質に関する情報について購入するまで完全には知りえないのです。
 このように、取引・交換の参加者間で保有情報が対等ではなく、あるグループが「情報の優位者」に、他方が「情報劣位者」になり、双方で情報を共有できていない状況(情報分布にばらつきが生じている状況)が、情報の非対称性であるといいます。

◆エネルギー切替業者の攻める力 VS LPガス販売事業者の守る力

 攻める方は専従で、経験を積み重ねることで、どんどんスキルアップします。攻めるスキルは「人」につくのです。また、攻める地域も自由に選べるという特徴があります。
 一方守るスキルは人(営業マン)にはつきません。また、守るスキルはお客様とLPガス販売店との信頼関係の上に成り立つので、場所を変えての展開ができないのも特徴です。だから、攻めに比べて、守りには時間がかかるのです。
 攻める側は「切り替えるとこんなにオトクになります」とメリットを誇張することが最大の武器となります。では、守る側の武器は何でしょう。切り替え業者に営業をかけられる前に、事前の免疫トークや大量の情報発信、契約、制度、サービスの見える化など「公正な情報の提供」こそが守りの武器なのです。LPガス事業者の自由裁量で行っていた契約条件や料金制度の不透明性をお客様に「見える化」することがあらぬ不信感を抱かせない最大の防御策になると言えます。


「守る側とお客様との信頼関係の破壊」VS「お客様との信頼関係の強化」
切替業者が「今まで随分高く買わされてきましたね」と勧誘して来るのに対して、お客様自らが「今、お取引しているLPガス販売店を信頼しています。勧誘は受けません」と門前払いしてもらえるような関係をつくることが究極のあるべき姿です。そのために、情報の非対称性を解消することが重要です。

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その11>

電力・都市ガス小売り全面自由化によって、LPガスも含めて、家庭用エネルギーの業者選びについての質問や、一般消費者向けのセミナーのご依頼を受けるようになりました。今回はお客様目線で考えたいと思います。

◆何のための透明化・適正化か?

 そもそも、LPガスは自由料金です。自由料金ならば、お客様は各地域のLPガス販売事業者の料金等を比較考量して事業者を自由に選択できるはずです。
「ガス屋さんによって料金やサービス内容が違うんだ!そもそも、ガス屋さんって自由に選べたの?」「でも、比較考量するための情報が十分でないのよね!」というのがお客様の本音。
 LPガス料金を公表している事業者はごく僅かで、他社を選ぼうと思っても、標準的な料金メニューがわからなければ選びようがないのです。個々のお客様のLPガス料金に関する情報が十分に伝えられていない状況で、お客様は「自分の料金についてよく分らない!」「理解・納得のしようがない」となるわけです。選びようがないから、お客様の事業者選択による事業者間競争が働きにくいことが、LPガス料金の高止まりや不透明性が是正されない一因となっているのです。

 

◆「料金メニュー化」は戦略になる!

 料金メニューをお客様に知らせないことで自社が生き延びる道を選ぶか?お客様に知ってもらうことで自社が生き延びる道を選ぶか?今、事業者の皆様は選択の岐路に立たされています。
 「料金メニュー」とは、企業がお客様のライフスタイルに寄り添うところから生まれ、個々の顧客とよりよい関係を築いてこそ生まれる相互作用そのものです。お客様がどんな家族構成でどんな生活スタイルを望んでいるか、想定状況ごとに競争力のある価格を設定し、オープンにする必要があります。だから、「料金のメニュー化」は戦略になると言えるのです。

 
 
先に言えば「情報」後から言えば単なる「言い訳」
例えば、「このようなガス料金メニューがあります。このガス料金メニューを選んで頂くと、先月のご利用の仕方なら〇〇円お安くできます」ということを先にお客様に言えば、情報にもなるし提案にもなります。
ところが、同じことを切替勧誘業者が「〇〇△円安くなりますよ!」と安い価格をお客様が聞いた後で「では、弊社もその価格に合わせます!」とか「その価格よりもさらに下げます!」というと、それはお客様にとっては「今まで、騙されていたのだからガス代返せ!」という話になります。こうなるともう、言い訳は通用しなくなるし、切替業者の思うツボになってしまいます。

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その10>

 LPガス事業を、新しい時代に向けて「家庭・生活サービス産業」として再構築するためには、お客様といかに多くの接点を持つかにかかっていると言えます。お客様への『情報提供の仕方』『働きかけの技術』『つながり方』などその会社が成長繁栄するも亡びるもコミュニケーション戦略次第ということではないでしょうか。

☆よい情報・よい方法で「心の領域」での結びつきを!
 コミュニケーション戦略の目標は、今ある需要(消費量・売上高)をさらに増やすこと、LPガス以外の商品も買っていただくこと、お客様の生活状態や心の中に潜在している需要を引出し、具体的な商売につなげることです。競合している同業・異業種の他社に比べて、より早くよりよい情報を、よりよい方法でお客様に届けることで、その目標に近づくことができます。

 コミュニケーション戦略の機軸となるのは以上の3つのうちで最後にあげた「よりよい方法」です。例えば、広告チラシやミニコミ誌でも、大きさ、紙質、色、内容、統合的なイメージなどの要素と、届け方、渡し方が重要です。方法次第で生きた情報にも、邪魔者扱いされてミニコミ誌がミニゴミになりかねないのです。

 名の通った大企業や見識が高いだけでマーケティングに弱い(不慣れ?)企業がコミュニケーション戦略で失敗するのも「方法」がネックになっているケースが多く見られます。ブランド、自社の知名度、経営資本の規模、過去の実績、業界内での地位などで優越意識が先行しているからです。意識が先にあって方法(実践面・展開)が二の次だから、市場末端に広がっている「消費者の心の領域」には踏み込めない。ブランディングやステータスだけでは商売にはならない。だからこそ、ブランドやスキルで多少劣る地場の中・小店に大企業が敗北するケースは結構あるのです。LPガス事業者が戦列に加わっているリフォーム関連の情報戦でも、こうした現象はよく見られます。


「無料診断、設計料サービス、品質・技術抜群!」など有名大企業のチラシやDMがうるさいほど投げ込まれると人はどのような気がするだろうか?

「わが家はそんなにおんぼろ・ガタガタではありませんよ!」
「診断してもらわなくても自分でそれくらいのことはわかる!」
「無料サービスなんていっているけど、工事代に含まれていることくらい
 誰でも知ってるよ!」
「材料や器具の品質に大差はありません!」  とお客様は思っている…

今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その9>

自由競争が激しくなるということは、お客様の立場から見れば、選択力(能力・条件)が強まるということです。LPガスの場合では、器具を買い替えるにしてもガスの購入先を変更するにしても、他の類似した器具やほかの店と詳しく比べて選ぶことができる・・・それが選択力です。
選択力が強くなる最大の原因は、新規に事業をはじめた会社や積極販売に転じたお店などを含めて、様々なところから届けられる、様々な情報の数が多くなるからです。量だけではありません。情報の内容や届け方にも質の向上が見られ、異業種の会社やほかのエネルギー関連の会社が新規参入して、市場に入ってくる場合には、ほとんどゼロからの出発であるため、販売店をまるごと抱え込むか、できるだけたくさんの消費者に新しい情報を持って働きかける必要があります。
兼業部門(別の商品)の宣伝、ユニークな商品や体制の紹介、カードシステム、ポイントシステムやネットワークづくりの情報、ガス料金や器具の特別価格など、お客様たちは新しい情報を、次から次へと入手する時代になりました。
「まあ!そんなことができるの!」「そこまで便利になるの!」
「そんなサービスしてもらえるなんて!」「いまの〇〇燃料店とは大違い!」

 

ガス料金、器具・機器の知識、安全管理、通信サービスなど今まで知らなかったか、気づかなかった情報に多くのお客様は驚いています。
・・・・放っておいてもガスは消費されていく。
・・・・委託配送であれ何であれ、ガス切れなく配送してもらえればそれでよい。・・・キャンペーンだ、提案だと、余計な苦労はしたくない。・・・歓迎もしてもらえないし、喜んでももらえない上に、手間のかかる検査・点検は法廷通り最小限に消極的な対応で結構・・・・このようなマイナス思考の理屈によって、お客様を敬遠したり、放置しておいたりしてないですか。

 

 先日、東海財務局主催の「中小企業におけるAI活用に向けて」サービス業の生産性向上に向けた勉強会に参加してきました。講師の株式会社トライエッティング代表取締役社長兼CEO:長江祐樹氏とのディスカッションで気づいたことです。LPガス販売店はお客様と「密なる接点」に恵まれています。しかも、マイコンメーター、集中監視システムはじめ通信情報技術の導入が他業界より早く、進んでいるのでAI活用がしやすいのです。「すごいわね!そんなことできちゃうの」といった次世代のいろんな新しいサービスにつなげることができます。ワクワクしてきますね。