大家さんと新たな時代のよい関係を築こう <その7>
トラブルの狭間で信頼をつくる、ガス屋さんの新しい役割
賃貸経営の現場では、大家さんと管理会社の関係がうまくいかない場面が少なくありません。「修繕費の負担をめぐって意見が食い違った」「報告が遅れて入居者からクレームが来た」――。
給湯器・エアコン・水回りなどは「使えないと生活できない」ため即時対応が必要ですが、 承認を待つと遅れ、勝手に動くとクレーム、という“板挟み”が起きやすい領域です。
そんな時、ガス屋さんは“第三者としての立場”から信頼関係をつなぐ存在になれます。
1. 設備トラブル時こそ、冷静に“事実を見える化”する
トラブルの多くは、「お互いに状況を正しく共有できていないこと」から生まれます。給湯器や浴室暖房などの故障が起きた時、「原因は経年劣化か」「入居者の使い方か」「修理で済むのか交換が必要なのか」――判断が分かれることがよくあります。そんな時こそ、ガス屋さんが中立的な立場で現場を確認し、写真・点検結果・交換時期の目安などを具体的に示すことが有効です。技術的な根拠に基づいた報告があれば、感情的な対立を防ぎ、大家さん・管理会社・入居者、三者の納得を導くことができます。2. 「予防保全」の視点で信頼を積み重ねる
給湯器やコンロなど、ガス設備の多くは10年前後で寿命を迎えます。故障してから慌てて交換するよりも、「次の点検で更新を検討しましょう」と前もって伝えることで、突発修繕によるトラブルや費用負担の混乱を防げます。ガス屋さんだからこそ持つ点検履歴や設置年数データを活かし、大家さんへの“予防提案”を習慣化することが、信頼を築く第一歩です。
3. 「安全」と「経営支援」を両立する提案力
法令遵守は当然のことながら、大家さんにとって真にありがたいのは「安心できる管理体制」と「経営の手間が減ること」です。たとえば、
▶24時間対応の一次受付サポート
▶機器リースや修繕費の分割プラン
▶省エネ給湯器・乾燥機など空室対策にもなる提案
等“経営の安定化”に直結する支援は、ガス屋さんならではの現実的な付加価値です。

大家さんと管理会社の関係がこじれた時、どちらの味方になるかではなく、“事実に寄り添う味方”になることが大切です。トラブルは避けられなくても、対応の仕方次第で信頼は生まれます。ガス会社が「設備のプロ」として冷静に支えれば、結果的に大家さんも管理会社も「やっぱりこのガス屋さんで良かった」と思うはず。

「親からアパートを相続したけど、どうしたらいいか分からなくて…」
「給湯器、今ならタダで取り付けます!」
「ガス屋さんの利益ってなんだろう?」と聞かれることがあります。
さらに、法令では大家さんへの設備提供は「適正価格での販売」もしくは「リース・レンタル契約」が基本とされています。ガス屋さんとしては、大家さんにとっても導入しやすく、家賃収入の中で無理なく支払えるプランを提示することで、長期的な関係を築くことができるでしょう。

たとえば、築20年のアパートで空室が増え始め、焦った大家さんが家賃を下げてしまう…。賃料を下げれば入居者が決まると 不動産仲介会社から言われることもあるのでしょう。
でも、家賃を安易に下げると、次のような問題が起こりかねません。






















地元の信用金庫が合理化のため9月に店舗を集約することになり、6月初めにエリアの住民にご案内を出しました。3日もすると、エリアの一人暮らしの高齢者宅に「9月に店舗がなくなるから通帳とキャッシュカードを預からせてほしい」と電話がかかって来たそうです。「怪しい!?」と判断されたこの方はすぐに、この信用金庫に連絡をされて事なきを得たそうです。ところが当該金庫は大慌て!
「プロパンガスを使っているのだけど…1年に3回も業者変更のはがきが来たのよね?!」と先日、知り合いから聞いた話です。何十年も地元のガス屋さんと取引をし、当たり前に安心安全で使えていたLPガスですが、急に業者が立て続けに変わるという連絡に驚かれたようです。おそらく、販売店から卸業者の直売に移転。もしくは、卸業者同士の合併で社名が変わるなど業界内では珍しいことではありませんが、お客様からするとビックリ!ですよね。お客様自身がガス屋さんを選ぶのではなく、先月まで○○燃料から買っていたガスが、「来月は△△ガスからの請求になります」というはがき1枚で、お客様の意思は全く無視しているのですから。
「元々のガス屋さんは、検針の時にニュースレターやカレンダー、家電品のチラシもくれたのに、新しいガス屋さんは何もしてくれないのよ」と不満そうな様子。「当たり前のようにもらっていたニュースレターもしっかり読んでいたわけではないけれど、そういえば、あんなこと書いてあったなぁと知らず知らずのうちに頭に残っていたし、防災・保安に関することは役立っていたの」と顧客接点が急になくなったお客様の正直な声を聴いた気がしました。
デジタルと紙の活用を推進するには個々の消費者の行動を把握することが重要です。昔は帳簿に誰が何をいつ買ったのかを付けていました。商品中心に何がいくつ売れたかではなく、一人ひとりの顧客を大切に、顧客情報をきちんと管理していたのです。現在は筆で帳簿を書くわけではありませんが、デジタル技術によって、あらゆる顧客情報がデータ化され、より顧客を知ることが出来るようになっただけでなく、デジタルと紙を複合的に活用することで、一人ひとりの顧客と最適なコミュニケーションが取れる時代です。
人は手間がかけられているものに対して、高い価値があると感じます。
“紙”には物理的なパワーがあります。ペーパーレスの導入によって不要な書類は確実に減りましたが、オフィスに紙の書類はまだ残っています。必要な紙があることと、デジタルの限界点が明らかになったことで、紙メディアの価値を高めたといえます。
今や、印刷のプロセスはほとんどがデジタル化され、入稿データもデジタル処理されています。また、お客様ごとに内容を変えてパーソナライズ印刷することも可能で、デジタルメディアと変わらない機能を持つようになりました。紙という素材だけが物理的なもので、あとはデジタルなのです。
顧客接点を通じて消費者が抱いたものが集積したものが企業イメージです。企業イメージが定まらないまま、むやみにチャネルを増やせば、せっかく顧客接点を増やしても印象に残らなかったり、ユーザーから「しつこい」とマイナスイメージを持たれてしまいます。
職業や趣味、考え方や生活スタイルまで、まるで実在する人物のように細かく、提供する商品・サービスにとって最も重要で象徴的なユーザーを設定します。なぜなら、いつ・どのように・どういった経路で顧客接点を持つのかを具体的に考えるためです。大まかなターゲット設定では、どの顧客接点がより重要なのかが判断できずに、的確な改善は見込めません。
顧客が商品を購入に至るまでのストーリーを作成することで、具体的な顧客接点の抽出ができ、どう改善していけば良いかの思考整理をすることができます。

「どこに頼めばいいのか分からない?!」住まいと暮らしのお困りごとって意外と多いものです。一人暮らしで大きな家電や家具の移動ができない!介護ベットを購入したけど大きな家具が邪魔!など、引越しほどではないけど大きな家電や家具の移動ってどこに頼めばいいのか分かりませんよね。水回りやトイレのトラブルは慌てますよね。でも、とっさにどこに頼めばいいのか分からないのが生活者です。

私の祖父は、大正時代に薪炭店を営んでいました。昭和33年ごろ、父はプロパンガスの販売に着手しました。 「プロパンって何?どんなパン?コッペパンでなくて?へぇ~!炭屋さんがパン屋さんになったらしい!?!」と噂され、最初はお客様の反応に戸惑いましたが、便利なLPガスは瞬く間に町中の人気者になりました。その後、ガス器具メーカーさんがどんどん安全で、便利なガス機器をつくってくれたおかげで、日本中のガス屋さんは地域の人々の暮らしに必要なお店、会社になりました。
かつての企業戦略は未来をできるだけ正確に「予測」し、その未来(ゴール)に適合した「戦略」を策定して、それをやりきることでした。しかし、読めない未来、予測不能な時代が到来した今、求められるのは、生じた事態に対する『迅速』な対応、すなわち革新力です。第1にお客様が何を考えているのか?どう、お客様の行動が変化してきたのかを見定めることのできる認識力。認識したら、次は変化したお客様を喜ばすにはどうしたらいいのか考える構想力が必要です。構想力の源泉は多くの過去の事例や異業種の事例を知っていること。その重要ポイントだけを抜き出して、組み立てなおす構想力を実行に移す力が革新力になります。つまりは認識力を高め、構想力を高めて、実行力を高めていくことが勝ち残る企業の条件になると言えそうです。
そのためには社員の協力が得やすい会社にしていかなければなりません。経営者だけが正しいことを考えても実行するのは社員です。社員が「なるほど!よし、やってみるか!」とついてきてくれるあるいは協力してくれるような会社づくりが必要です。社員が楽しく仕事ができる風土をつくることもピンチをチャンスに変えていくことにつながっていきます。




つまり、排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかった分については同じ量を「吸収」または「除去」することで、差し引きゼロ、正味ゼロ(ネットゼロ)を目指しましょう、ということです。このような、温室効果ガスを発生させないグリーンエネルギーに転換することで、産業構造や社会経済を変革し、成長につなげるグリーントランスフォーメーション(GX)によりエネルギー業界の大変革が始まりました。





検針、請求、配送業務の効率化やメーターの遠隔操作など多数のメリットを生む「LPWA・集中監視システム」の導入により訪問検針から自動検針に変わり、客先に出向かなくてよくなった半面、新たな課題が生れてきました。

ますますオンライン化、デジタル化されている世界において、オフラインのふれあいは強力な差別化要因になると言います。自動検針の導入によって、一時、ミニコミ誌の配布を休止されたガス屋さんが、点検や担当エリアを決めてミニコミ誌配布を再開される事例が出てきました。顧客接点強化として、オンライン+アナログの新たなコミュニケーション戦略が生れています。顧客へのアプローチは、WebやSNSが主流になるからこそ、ミニコミ誌配布などのアナログのアプローチや、営業パーソンによる「人間くさい」アプローチが差別化につながっていくのでしょう。


デジタルの特徴のもう一つはストック勝負であることです。テレビCMなどは、一瞬で1000万人にリーチできたり、投資直後に集客できるフォロー施策が必要になるスパイク型になります。デジタルは10万人集めるには300記事が必要となり、投資後時間のかかるストック施策が必要となるため積層型になります。


DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けしています。DXに向けた業務の見直しは、今までの業務の矛盾や本質をとらえる数十年に一度のチャンスでもあります。LPガス業界はデータ量が多いので効果が出やすいと考えられますが、そのためには「レガシー企業文化からの脱却」がカギだと、前号で書きました。今回は、過去の成功に頼れない「正解のない時代」のポイントについて考えてみたいと思います。
商売の基本は「お客様の困りごとを解決すること」です。この基本を見失うことなく、過去にない新しいものを試行錯誤しながら自社の戦略を作り上げるしかありません。ところが、「正解のない世界」は「個性をもって差別化」されるので答えが顧客の数だけあると言っても過言ではありません。ですから、多くの戦略や課題がどんどん生まれてしまいます。不確実性がさらに増した時代だからこそ、時代の変化に柔軟に対応できる準備が必要なのです。固定観念を捨て、やらなくていいことや、今の時代に合わないと思うことを思い切って
DXに向けた業務の見直しは、今までの業務の矛盾や本質をとらえる数十年に一度のチャンスでもあります。LPガス業界はデータ量が多いので効果が出やすいと考えられますが、そのためには「レガシー企業文化からの脱却」がカギとなります。DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けしますが、今回は「レガシー企業文化からの脱却」について触れてみたいと思います。
コロナ禍によって人々の固定観念が変化した今こそ、ガス会社が企業文化を変革するチャンスです。世の中は急速にデジタル化に移行しています。ビジネスにおける価値創造の中心はデジタル化の浸透にあります。デジタルサービスが提案する新たな価値を享受することが当たり前になり、コロナ禍を通じて変化した人々の固定観念やテレワークをはじめとしたデジタルによる社会活動の変化はもう、元には戻らないからです。
コロナ禍で表出したことは、コロナ禍は一過性の特殊事情ではなく、常に起こりうる事業環境の変化に過ぎないのです。これまでは疑問を持たなかったガス会社の企業文化の変革に踏み込むことができたか、できないかが「レガシー企業文化からの脱却」ができるかできないかになるともいえます。ガス会社が競争上の優位性を確立するためには、常に変化する顧客・社会の課題をとらえ、

最近のお客様は欲しいものをインターネットで検索したり、ショールーム見学をするのでお客様の商品知識はプロ顔負けです。ステンレスかそれとも人工大理石かなどキッチンは素材で選ぶ時代になりました。ステンレスと言えばクリナップ。ホーローと言えばタカラスタンダード。人工大理石と言えばトクラスでしょうか。何でもござれのリクシルやパナソニック。一方、ガス会社が売りたいものは仕切りが安くて利益率が高いもの、施工が慣れているものなど取扱いたいメーカーや商品が必ずしもお客様が欲しいものと一致するとは限りません。お客様を逃がさないためにもチラシには、「記載の商品以外もお取扱いしています!お気軽にお問合せください」ということを明記することが必要です。
外壁屋根塗装、外構(門扉、フェンス、宅配ボックス)などは「ガス会社がそんなことできるの?」という意外なメニューです。外回りのリフォームの次には内側のリフォームがきっとあるはずです。また、エネルギー効率を提案する内窓設置や防犯用にインターフォーンの取替、LEDへの取替なども小さな工事ですが、満足いただけたならリピートや紹介がいただける「ガス会社がこんなこともしてくれた!」というメニューです。
ガス会社が住宅リフォームに事業領域を広げるのは至極簡単なことです。自社でできなくても建築会社等とタイアップすれば今日からリフォーム事業は可能だからです。顧客を広げるため、事業のもう一つの柱としての攻めのリフォーム事業。離反阻止のための守りのリフォーム事業、いずれにしても守ることは攻めることになり、攻めることは守ることにもなります。なぜなら、リフォームは情報戦だからです。情報発信・情報取得の工夫でガス会社は顧客関係性の強さを利用して住まいづくりのプロ、工務店になり替わることもできます。
今日からでもリフォーム事業は可能だとは言え、市場はそれほど甘くはありません。ところが、リフォームをしたくても「どこに頼んでいいのか分からない」というリフォーム難民が意外と多いのも事実なのです。身近に、気軽に相談できる存在になれるような情報発信が
また、リフォームには工期があり、工期中に人間関係ができるチャンスがあるのです。工事を他社に任せる場合でもお客様宅には必ず出向き、お客様とコミュニケーションをとり、次につながる情報をキャッチすることが重要です。
先月号で、賃貸住宅を経営されている大家さんとガス販売事業者は賃貸住宅が満室となるように一緒に考え、協力し合う「共通の目的を持ったパートナー」であると提案させていただきました。
伝える方法はいろいろありますが、ガス販売事業者の中には、お客様とのコミュニケーションや自社PRのために、ミニコミ誌やニュースレターとよばれる情報誌を発行している会社も数多くあります。一般ユーザー向けとは別に大家さんに特化した情報誌にして、空室対策を含めたさまざまな情報を提供し、大家さんとの共通の話題づくりをすることが接点強化面で有効だと考えます。

②今よりもっとガス料金が安くなりますよ!
④設備が新しく整えば、入居率がアップ!空き家対策にもなりますよ。
賃貸住宅を経営されている大家さんは、入居者があり、月々の家賃を支払ってもらうことで投資が回収できます。一方、ガス販売事業者にも、ガスを供給している賃貸住宅に入居者があり、月々のガス使用量を払ってもらうことで売上が発生します。このため、大家さんとガス販売事業者は賃貸住宅が満室となるように一緒に考え、協力し合う「共通の目的を持ったパートナー」です。

①性急な行動に出る人
タイミングをうまくつかまえる人とは、タイミングに失敗する人と裏返しの人ということにもなる。タイミングのつかまえ方の上手い人にはタイミングの意識が強い。その意識の源泉は何か。それは自分の人生、仕事を通して目的、願望、人生設計といったものを常日頃、明確かつ具体的に描いていることにある。自分の人生計画、願望、目的をうまく達成しよとして必要な情報をとらえ、チャンスを求めようとする。それがその人のタイミング意識を作動させ、タイミングの把握、活用度を向上させることになるのである。






日本のビジネスマンは1日の勤務時間のうち、課長になると40.2%、部長は42.0%、役員は42.6%と役職があがれば上がるほど会議や打ち合わせのために時間を使っているという。会議や打ち合わせのために約4時間も使用しているが、すべての会議や打ち合わせが効果的に行われているわけではない。タイミングという視点から会議や打ち合わせを効果的に開催するにはどうしたらよいのか。
会議や打ち合わせには定期的になっているものが多いので、全員が出席できる確率が高い日にあらかじめ設定するのがよい。これは会議メンバーのスケジュールの中に会議の日程をあらかじめ織り込ませることによって会議のタイミングをつくりだすので効果的である。毎週、毎月、何曜日の何時という具合に定例会議の日程を決めることによってタイミングの先取りをするわけである。
気楽な非公式の打ち合わせ、予備会議のようなものは、スキ間時間に行うと効果があがるし、関係者も集まりやすい。通常は出勤前の1時間とか、ランチタイム、あるいは終業時等、何か行動を起こしたり、終了したりするときに生まれるスキ間時間の活用である。ちょっとした打ち合わせはランチタイムやコーヒータイム等、スキ間時間に何かしながらというのが効果的で人も集まりやすい。
会議や打ち合わせは必ず打ち切る時刻を決めておく。タイミングよく打ち切るには、会議を始める前に打ち切り時刻を確認しておくこと、そして、15分前と5分前に打ち切り時刻を確認するとよい。この予告をすることで定時にタイミングよく会議を終えることができる。
市場調査は単に目先の需要をとらえるのではなく、市場の環境条件も調査してみる必要がある。その新商品が時流にマッチしているかどうかの判断も重要である。
競争相手の営業活動を調査して、どういう場所で、どういう時期に営業活動を活発にしているのか、情報を集め分析しておく必要がある。多くの場合、そこにはスケジュールが存在し、反復性がみられる。
新製品が首尾よく開発され、マーケットも熟しているのに、社内の準備態勢ができていないために、新製品の発売に失敗したという例がたくさんある。せっかくのタイミングを失う大きな原因はしばしば、「社内」にある。販売チャンネルが準備されていないとか、セールスマンの訓練不足とか、宣伝が行き届いていないことがその一例である。発売時期を決定したのに生産設備が間に合わなかったとか、生産に必要な資材、部品が入荷しなかったために発売が遅れ、勝機を失ったというケースはいくらでもある。新製品の発売のタイミングは社内の有機的なプレー、リンケージの良さによっても作られるということをいつも留意する必要がある。




新商品を開発・発売したとき、新事業に進出した時、新しい工場を建設したときに、いつでも最初から撤退の時期を想定しておく。多くの場合、人は成功すると、その成功はいつまでも続くと錯覚をおこしやすい。新商品が当たるとそれに夢中になりその商品が売れなくなることを忘れてしまう。
経済、政治、社会にも大きな流れがあり、その流れに大きな転換期が起こることがある。会社にも大きな転換期がある。また、歴史の流れには節目がある。こういう節目は撤退のタイミングである場合が多い。この場合撤退=転換期と考えてもよい。世の中の流れが変わったのだから、こちらもそれに合わせて変化=転換すると考えるわけである。新製品や新事業の方向を変える場合にはこの転換期を選ぶ必要がある。
①最初から撤退の時期を想定しておく







反対に、高齢者世帯は馴染みのガス屋さんにガスやガス器具だけでなく暮らしのお困りごとを一括してお任せしたいと考えるお客様も少なくありません。「誰がエネルギー選択権者か」をよく見極めて対応を図ることが肝心です。


ここで、注意したいのは只々、ガスの需要増につながる機器を拡販すればいいというわけではないということです。ガス式の衣類乾燥機は業界でも拡販に努めていますので前年対比114%(LPG仕様)と確かに伸びています。電気式の衣類乾燥機(洗濯乾燥機)は販売されてはいるものの、思ったよりユーザー評価が高くないことが「乾太くん」の好調な売れ行きを後押ししているからです。
売り手のガス屋さんとしては、「乾太くんは使ってもらえば喜ばれることはわかっているが、設置の問題や販売単価・手間などを考慮すると、誰にでもプッシュするガス器具ではない」と思ってしまうということでしょうか?乾太くんをもっとたくさん売るにはどうしたらいいのか?と拡販することを考えるのではなく、「できるだけ多くのお客様に」「洗濯物を短時間で乾かせる価値」を提供するにはどうしたらいいのか?と生活者視点で発想してみることが大切だと思います。

本来、建築費用として負担するべき費用がエネルギー代に含まれるようになるというこの商取引慣行を是正しないと、LPガスの価値を下げることになります。また、業界全体で是正しない限り今後、人口減少やアパートの供給過剰に伴い空き家率の上昇が予測される賃貸集合住宅市場において、アパート間競争が激化し、設備重点してくれるLPガス事業者への要求もエスカレートすると思われます。
市場では「売り手」と「買い手」が対峙していますが、一般には売り手がほぼ一方的に情報を保有し、買い手は十分の情報を保有できないことが多いのではないでしょうか。エネルギー業者の切替営業の場合も売り手(切替業者)は商品の品質に関する豊富な情報を所持しています。一方、買い手(お客様)は商品の品質に関する情報をほとんど保有しておらず、売り手(切替業者)からの説明に依存するしかありません。
攻める方は専従で、経験を積み重ねることで、どんどんスキルアップします。攻めるスキルは「人」につくのです。また、攻める地域も自由に選べるという特徴があります。
「守る側とお客様との信頼関係の破壊」VS「お客様との信頼関係の強化」
料金メニューをお客様に知らせないことで自社が生き延びる道を選ぶか?お客様に知ってもらうことで自社が生き延びる道を選ぶか?今、事業者の皆様は選択の岐路に立たされています。
先に言えば「情報」後から言えば単なる「言い訳」

ガス料金、器具・機器の知識、安全管理、通信サービスなど今まで知らなかったか、気づかなかった情報に多くのお客様は驚いています。
先日、東海財務局主催の「中小企業におけるAI活用に向けて」サービス業の生産性向上に向けた勉強会に参加してきました。講師の株式会社トライエッティング代表取締役社長兼CEO:長江祐樹氏とのディスカッションで気づいたことです。LPガス販売店はお客様と「密なる接点」に恵まれています。しかも、マイコンメーター、集中監視システムはじめ通信情報技術の導入が他業界より早く、進んでいるのでAI活用がしやすいのです。「すごいわね!そんなことできちゃうの」といった次世代のいろんな新しいサービスにつなげることができます。ワクワクしてきますね。