DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その4>

DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けしています。DXに向けた業務の見直しは、今までの業務の矛盾や本質をとらえる数十年に一度のチャンスでもあります。LPガス業界はデータ量が多いので効果が出やすいと考えられますが、そのためには「レガシー企業文化からの脱却」がカギだと、前号で書きました。今回は、過去の成功に頼れない「正解のない時代」のポイントについて考えてみたいと思います。

◆過去の成功に頼れない『正解のない時代』のポイント
コロナ禍で重要なキーワードになった「ニューノーマル」(New Normal)。直訳すると「新しい常態」という意味になります。社会に大きな変化が起こり、変化が起こる以前とは同じ姿に戻ることができず、新たな常識が定着することを指します。ビジネスにおける戦略や課題解決に対して、『正解のない時代』と言われて、もう何年も経ちますが、LPガス業界におけるビジネス環境も例外なく『正解のない時代』に突入しています。以前は先駆者たちが成功したことが正解であって、自社もそこにどう向かうかを考えれば良かったのですが、今はその答えを思考し、構築するところからスタートする必要があります。今後は、正解のある時代の法則は通用しないだけでなく、他社のマネをすることで大きな痛手を食うことにもなりかねないのです。なぜなら、他社のマネでは自社の想いがお客様に伝わることはないからです。
商売の基本は「お客様の困りごとを解決すること」です。この基本を見失うことなく、過去にない新しいものを試行錯誤しながら自社の戦略を作り上げるしかありません。ところが、「正解のない世界」は「個性をもって差別化」されるので答えが顧客の数だけあると言っても過言ではありません。ですから、多くの戦略や課題がどんどん生まれてしまいます。不確実性がさらに増した時代だからこそ、時代の変化に柔軟に対応できる準備が必要なのです。固定観念を捨て、やらなくていいことや、今の時代に合わないと思うことを思い切って見切ることも『顧客』が『個客』になる戦略の近道かもしれません。


「他社の逆を行く」くらいの大胆な発想が必要!?!
過去からの正解探しや、他社の鵜呑みのマネが今の時代に合わないとすれば、「他社の逆を行く」くらいの大胆な発想が必要かもしれません。例えば、広告宣伝費は売上の何パーセントまでとか言いますけど…誰が決めたんでしょうね?そんなのきっと正しくありません。お客様の争奪合戦に時代が変わっているのに、そんな正しいかどうか分からない固定観念は一度、思い切って捨ててみては如何でしょうか?他社が、広告宣伝費を抑えるなら、逆にそれ以上かければ、効果は他社以上になる可能性が高いと思われます。