タイミングで成功する人、失敗する人<その4>

商品がよいだけでは競争に勝てない

いかに品質の良い商品あるいはアイディア商品でも、発売のタイミングが悪いとよい成果を上げられない。
10年くらい前にある商品を開発・販売した。当時はアイディア商品と騒がれたが一向に売れなかった。数年後に手直しして再発売したら品不足になるほどの売れ行き、という話もよくある。これはタイミングの問題。同じことが新規事業や新企画のイベントを実行するときにもよく起こる。以下の基本ポイントをつめたら、具体的な実施スケジュールを作成し、もう一度タイミングを見てみることが重要である。

市場調査は単に目先の需要をとらえるのではなく、市場の環境条件も調査してみる必要がある。その新商品が時流にマッチしているかどうかの判断も重要である。
マーケットを絞り込んでとらえてみる必要もある。マーケットを具体的に絞り込んで市場調査するとニーズがいつ頃起こるのか判断できる。地理的に把握する場合は、ある地方ではその製品の発売は8月の方がよいとか、3月の方が新製品発表のタイミングとして最適といった具合にわかってくる。
 
 

競争相手の営業活動を調査して、どういう場所で、どういう時期に営業活動を活発にしているのか、情報を集め分析しておく必要がある。多くの場合、そこにはスケジュールが存在し、反復性がみられる。
競争相手の癖から見て、自社の新製品の発表時期は先手で行くのがよいのか、競争相手の発売から遅れてしばらくして出すのがタイミングとしてよいのかということも検討しておく必要がある。リスクの高い製品、先のあまり見えない市場に進出する場合には、競争会社が市場創造をしてくれるのをみて、こちらの新製品を発売するという手がよく用いられる。
 
 

新製品が首尾よく開発され、マーケットも熟しているのに、社内の準備態勢ができていないために、新製品の発売に失敗したという例がたくさんある。せっかくのタイミングを失う大きな原因はしばしば、「社内」にある。販売チャンネルが準備されていないとか、セールスマンの訓練不足とか、宣伝が行き届いていないことがその一例である。発売時期を決定したのに生産設備が間に合わなかったとか、生産に必要な資材、部品が入荷しなかったために発売が遅れ、勝機を失ったというケースはいくらでもある。新製品の発売のタイミングは社内の有機的なプレー、リンケージの良さによっても作られるということをいつも留意する必要がある。