今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その15>

◆業界全体でLPガス需要の負のスパイラル化に歯止めをかけよう!(2)

 ガス料金が高いからブローカーに狙われる。かといって単純に、料金を下げれば収益が悪化する。だから、料金を見直さない。何もしなければ需要家も減り、経営が益々、悪化する。いつ、商権を売却したらいいのか?ガス屋なんて魅力ないなぁ!しんどいだけだ!などとぼやいている人も少なくありません。業界全体で、LPガス需要の負のスパイラル化に歯止めをかける必要があると思いませんか?

 ガス料金が高いガスを使わないガスの使用料が減少するガス収益が悪化するガス料金を上げることになり、結果、お客様は「ガス料金が高いからガスは使わない!」という負のスパイラルになりがちです。この負のスパイラルを「望ましいスパイラル」に変化させるためにはどうしたらいいのでしょうか?


 1、自助努力により、料金を引き下げる原資を捻出する
 2、ガス需要増につながる機器を愛用してもらう工夫をする

この2点をマストとしたなら
 ガス料金が安いガス料金を気にせず便利な機器を愛用してガスを使うガス使用料が増加するガス収益が好転するガス料金を下げられることになり、お客様にはガスを使うことで快適な生活を提供できることになり好循環につながります。

 ここで、注意したいのは只々、ガスの需要増につながる機器を拡販すればいいというわけではないということです。ガス式の衣類乾燥機は業界でも拡販に努めていますので前年対比114%(LPG仕様)と確かに伸びています。電気式の衣類乾燥機(洗濯乾燥機)は販売されてはいるものの、思ったよりユーザー評価が高くないことが「乾太くん」の好調な売れ行きを後押ししているからです。
好調とは言ってもこれは、成り行きの好調さに過ぎないのです。
 売り手のガス屋さんには
「乾太くんは使ってもらえば良さが分ってもらえるので、高い買い物をさせている」とは考えない。
ところがユーザー評価は
「新設の場合、ガス栓を設け、洗濯機の上にユニットを組み、排湿筒工事をして設置するためガス屋さんに頼まなければできない。この材工込の設置費用はやや高い」と思われているのが現状です。

売り手のガス屋さんとしては、「乾太くんは使ってもらえば喜ばれることはわかっているが、設置の問題や販売単価・手間などを考慮すると、誰にでもプッシュするガス器具ではない」と思ってしまうということでしょうか?乾太くんをもっとたくさん売るにはどうしたらいいのか?と拡販することを考えるのではなく、「できるだけ多くのお客様に」「洗濯物を短時間で乾かせる価値」を提供するにはどうしたらいいのか?と生活者視点で発想してみることが大切だと思います。