With&Afterコロナ時代のテレワーク<その2>

テレワークを推進するには、社内に体制をつくり、企業内で早い段階から導入の目的を共有し、関心と協力を得ることが成功の鍵となります。スムーズな導入のためにも、各プロセスのポイントを知っておくことも重要です。今回は1~3について、次回は4.ICT環境の整備、5.セキュリティ対策、6.推進のための評価と改善についてポイント解説をします。

  テレワーク導入のプロセスを認識しよう!  
1⃣導入目的の明確化
テレワークはあくまで「手段」です。導入目的を明確にすることは、導入効果を評価するうえで必要です。導入が目的にならないよう推進体制を構築し、全社で目的を共有し、関心と協力が得られるようにします。

2⃣実施範囲の検討

対象者の選定 関係者の理解が得られるよう、明確な基準を設けます。
対象業務の整理 業務全体を洗い出し、業務単位で整理することが必要です。
 ・現状で実施できる業務  ・今すぐに実施できない業務  ・実施できない業務
実施頻度の設定 初期段階では日数を少なめにし、段階的に増やします。



3⃣労務管理とルールづくり
在宅勤務、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務のいずれのテレワーク時においても労働基準法などが適用されますが、自宅でのテレワークについては次の事項に留意が必要です。

労働条件の明示 自宅でテレワークを行うなど労働条件通知書に明示する必要があります。(労働基準法施行規則5条2項)
労働時間の把握 自宅でテレワークを行っている人の始業・終業時刻を確認し、記録する必要があります。(労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン<2017.1.20策定>)
業績評価・人事管理などの取扱い 会社へ出社する従業員と異なる制度を用いるのであれば、その取扱い内容を丁寧に説明しておく必要があります。また、就業規則の変更手続きが必要となります。(労働基準法89条2号)
通信費・情報通信機器などの費用負担 自宅でのテレワークに必要な通信費や情報通信機器などの費用負担については、あらかじめ労使で十分に話し合い、決めておく必要があります。費用負担をさせる場合には、就業規則に規定する必要があります。
社内教育の取扱い テレワーク対象者に社内教育や研修制度に関する定めをする場合にも、当該事項について就業規則に規定しなければなりません。