顧客満足度経営を考える<その1>

☆「期待を少しだけ超える」=顧客満足とは
顧客満足度とは、人が物やサービスを購入するときに、その購入したものに感じる何かしらの満足感のことをいいます。「顧客は満足を感じたときに物品を購入する」ということをベースに考えられた概念で、企業ではその度合いを評価することで、新しい商品の開発につなげることもあります。
顧客満足度の定義は、「顧客がサービスを受ける前に抱く事前期待を、サービスを受けた後の実績評価が上回ったときに得られる」ということだと考えてもよいでしょう。大切なのは「顧客満足度は絶対値ではない」ことにあります。事前期待と実績評価の「相対値」によって顧客満足度は決定されます。そのため、お客様の「事前期待」を掴まないことには顧客満足は得られません。

☆顧客満足度はお客様に喜んでもらうこと……ではない
顧客満足度は事前期待と実績評価の差ですから「いかにお客様に喜んでもらうか」のみに焦点を当てている場合には、顧客満足を高めることはできません。たとえば、ガス器具を店頭で大幅に値引いてくれたので購入したものの、帰宅後にインターネットで価格を調べたら、さらに安く販売している店舗が多数あった、という場合には実績評価は高まらず、顧客満足度も高くはならないということです。

☆事前期待を把握することの重要性
顧客満足を得るためには、事前期待より実績評価が高いことが重要です。事前期待より実績評価が低い場合にはお客様の満足度は上がりません。これをサービスの定義で考えてみると「人や構造物が発揮する機能で、ユーザーの事前期待に適合するものをサービスという」ということに当てはまります。つまり、事前期待に適合しないものはサービスとはいえないのです。
お客様から喜ばれるという勝手な思い込みから生まれたサービスでは、かなりの割合で余計なお世話だと思われてしまいます。事前期待を掴まないことにはサービスとして成り立たず、顧客満足は得られないということです。
顧客満足を上げるためには、顧客が求めている事前期待を知ることがより重要であり、ここが理解できているかどうかが顧客満足の向上につながる重要なポイントとなります。さらに、事前期待を知るためには、顧客ニーズを知ることが必要です。顧客ニーズは、その顧客が持っている欲求・要望・需要であり・どのようなニーズがあるのかがわかれば、事前期待も把握することが可能です。

☆実績評価を把握することの重要性
もちろん、事前期待を把握することと併せて、実績評価を把握することも大切です。実績評価を把握することは、より良い商品やサービスの開発につながります。顧客アンケートや口コミなどにより、自社の評価を把握し、改善を重ね、フィードバックを得ることにより、さらにブラッシュアップさせていくことが可能となります。