DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その10>

新型コロナウイルスのオミクロン株の爆発的な感染拡大が起こり、陰に隠れるように、エネルギー政策の大転換が確実に進もうとしています。それに伴い、ガス業界でもDXの導入推進の重要性は誰もが認識しているところです。LPWA導入やWeb請求、保安点検のデジタル化など業務のDXは必須ですが、それ以上にデジタル化の中で、顧客との関係性強化を図るDXが求められています。

◆激変するコミュニケーション
DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、デジタル技術によって、ビジネスや社会、生活の形・スタイルを変える(Transformする)ことです。遠隔操作やWEB活用など「機械にできることは機械に任せる」を基本型とすることで限られた人材を有効活用し、業務の効率化を図るというものです。検針、保安、配送などの効率化やメーターの遠隔操作が可能な集中監視システムは「客先に出向かない」というシステムなので、従来の訪問検針によるお客様とのコミュニケーションを激変させました。
 訪問検針やミニコミ誌配布による、今まで当たり前にしていたお客様とのコミュニケーション。「客先に出向かないのはマズイでしょ?!?」そうです!ブローカーによる切替、設備会社、リフォーム会社による積極的な器具販売、ネットによる間違った情報提供など、「客先に出向かない」ことは「客離れ」の危機に常にさらされることになります。今後は行くべきところにベストなタイミングで客先に出向けることが重要になってきますね。

◆集中監視システムによる新たな課題
検針、請求、配送業務の効率化やメーターの遠隔操作など多数のメリットを生む「LPWA・集中監視システム」の導入により訪問検針から自動検針に変わり、客先に出向かなくてよくなった半面、新たな課題が生れてきました。

①伝票やチラシ(ミニコミ誌)の配布はどうするのか?
②検針業務がなくなった分、営業活動ができるはずだったが成果が上がらない
③顧客との接点減少で顧客離れが心配

◆紙の明細書はもう、要らない
明細確認をスマホ、PCでするのが当たり前になりました。これは、世の中の90%の人々が紙の明細がなくても困らないと考えているからです。携帯料金明細、クレジット明細など紙の明細書は有料の時代です。また、シニアの94%がモバイル端末をお持ちで、その内の85%がスマホを利用しているというデータもあります。(MMD研究所調べ:2021.8)ガス料金もWEB明細化に移行するのを機にWEBを使った新しいコミュニケーションツールによる新たな顧客接点を創出できるチャンスの到来と言えそうです。



効率化で生まれた時間・稼働をどう活かすか?
今後は基幹システムとの連携や蓄積された様々なデータと連携して新たな営業支援システムの構築も可能です。顧客のセグメント分けや効率的な営業戦略など、情報を整理して行くべき顧客にベストなタイミングで訪問することが大切になります。