生活者視点で今どきの地域一番店を考える <その2>

インターネットの普及によって、情報の主導権・収集力・発信力を生活者が握り、SNSなどで流行さえも生活者がつくり出すようになっています。その一方で以前と比べて地域のコミュニティが減り、人付き合いが希薄になってきているため、今までのコミュニティの代わりとなるものを小売業者がマネジメントする必要があり、生活者を支えるという観点での提案や生活者の視点からのイノベーションが不可欠と言えます。

◆顧客離れの原因を知ろう

驚くことに、放っておくと年に25%のお客様が離れていってしまうと言われています。アメリカのハーバード・ビジネス・レビュー誌が行った調査によると顧客離れの原因の1位は「事業者に相手にされないから…」だそうです。お客様を大事にせずおろそかにしていると自覚している企業はきっとないでしょう。しかし、お客様は「感謝されない、大事にされない、おろそかにされている」と感じているのです。

引越や死亡による原因、友人からのレコメンドによる原因は外的要因であるため、どうしようもない原因です。ただし、これら外的要因は合わせて10%程度しかありません。ということは、残りの90%の内的要因には、顧客離れを防ぐ何らかの対策が打てるかもしれません。

◆顧客離れを防ぐ3つのこと

①あなたに対して信頼感を抱いてもらうこと
約束を守る、迅速な対応をするなどビジネスの基本を徹底することは最も大切です。それに加え、「ザイアンスの法則」をつかってお客様からの好感や印象を高めるとよいでしょう。

②お客様に役立つことを提供し続けること
お客様の役に立つ商品やお店からの情報がないと、お客様との関係は途切れてしまいます。お客様の生活がもっと快適になることを提案し、長い付き合いを持続しましょう。

③お客様同士の交流の場があること
お客様同士の交流のためにイベントの開催やネット上の会員ページ設置などの直接交流する場を設けるなど、いかにお客様と長い付き合いをしていくかを考えましょう。

お客様に役立つことは何だろうと考えることがポイント

その商品が、自分にとって価値があると納得した時にお客様は購入します。お客様に商品を買っていただくには、お客様を教育して、その商品の価値を知っていただくことが必要です。ただ次々と新製品を紹介すると「あの店はいつも商品を押し付ける」という気持ちにさせてしまいます。あくまでもお客様視点から考えて、お客様に役立つことは何だろうと考えることがポイントです。お客様の困っていることや、お客様の生活がもっと快適になることを提案するのもいいですね。