ガス屋さんは未来ある経営戦略を持とう! <その4>

◆転換と危機の時代にどう立ち向かうか?
たった2年半で、コロナのおかげで生活者の行動が変わりました。行動が変わると意識が変わります。この生活者の行動の変化に着目した形で、私たちの仕事の仕方やお客様への商品やサービスの提供の仕方を、本気で変えていかなければなりません。すなわち、原点(本質)に立ち返り事業ドメインを見直すということになります。
私たちは社会的分業の中で生きています。社会的に必要となっている価値を世の中に提供する、1つ1つの特殊な仕事を担っています。価値ある製品を生産するとかサービスを提供するというのが目的で、我社の社会的分業のお役立ちは何かを意識して仕事をしていく必要があると思うのです。

◆自社の会社の社会的使命(お役立ち)は何ですか?
私の祖父は、大正時代に薪炭店を営んでいました。昭和33年ごろ、父はプロパンガスの販売に着手しました。 「プロパンって何?どんなパン?コッペパンでなくて?へぇ~!炭屋さんがパン屋さんになったらしい!?!」と噂され、最初はお客様の反応に戸惑いましたが、便利なLPガスは瞬く間に町中の人気者になりました。その後、ガス器具メーカーさんがどんどん安全で、便利なガス機器をつくってくれたおかげで、日本中のガス屋さんは地域の人々の暮らしに必要なお店、会社になりました。
もとは、薪炭店だった、あるいはお米屋さんだった、あるいは運送屋さんだった会社が、LPガスという100%完成された商品に助けられて、時流に乗りガス屋さんになったのですが、そもそも、自社の真のお役立ちは何か?ということです。今はガス屋さんですが、自社の歴史や大切にしてきたもの、強みなど、それぞれ違うはずです。「本当は何屋さんなのか?」これが経営理念そのもの、この目的意識が何よりも大事です。危機と変革の時代にはこの目的をはっきりさせ、それを時代の変化に合わせて、消費者サービスの提供は進化させていかなければなりません。

勝ち残る企業の条件
かつての企業戦略は未来をできるだけ正確に「予測」し、その未来(ゴール)に適合した「戦略」を策定して、それをやりきることでした。しかし、読めない未来、予測不能な時代が到来した今、求められるのは、生じた事態に対する『迅速』な対応、すなわち革新力です。第1にお客様が何を考えているのか?どう、お客様の行動が変化してきたのかを見定めることのできる認識力。認識したら、次は変化したお客様を喜ばすにはどうしたらいいのか考える構想力が必要です。構想力の源泉は多くの過去の事例や異業種の事例を知っていること。その重要ポイントだけを抜き出して、組み立てなおす構想力を実行に移す力が革新力になります。つまりは認識力を高め、構想力を高めて、実行力を高めていくことが勝ち残る企業の条件になると言えそうです。

  認識力   →   構想力   →   革新力   →   創造力