タイミングで成功する人、失敗する人<その3>

企画案がよいだけでは成功しない

今までと同じことをやっていては、企業は活力を失い、競争に負けてしまうことになる。「創造」の源泉は企画作りである。また、企画案は必ず、上司や関係者にプレゼンテーションして、了解・協力を得て進める必要がある。その企画作りやプレゼンテーションに成功するのにもタイミングが非常に関係してくる。

アイディアは何日か熟成させる
よい企画だと思ったらひとまずその企画をねかせてみるとよい。企画を成功させるためにはいろいろな付帯条件を準備する必要があるが、この付帯条件を検討しないままに企画を実行に移して、あるいは上司や関係者にプレゼンをして失敗することがよくある。企画をよく練っていないために問題点ばかり指摘されて、せっかくの良い企画も採用してもらえないという羽目に陥る。
アイディアは熟成させると実行するのに必要な条件やタイミングも見えてくるものである。2,3日放置して再検討してみると単なる思い付きのアイディアで実現不可能であることが分かるということもある。2、3日置いてみると論理に不備なところや調査不十分なところ、それに誤字脱字が目に付くというケースもある。特に戦略的性格の濃い企画案はこの熟成が必要である。熟成は良いタイミングを生み出すための触媒みたいなものかもしれない。

2の手3の手を考えておく
よい企画であるかどうかは企画を実施する状況次第である。状況が変われば、良い企画案にも手直しが必要になったり、企画案そのものがボツにもなる。企画が承認されるには、その企画を実施するタイミングであると判断されるということになる。しかし、このタイミングをはかるのはなかなか難しい。そこで、企画案を作成する場合に、予測される状況変化に対応した実行手段を複数案用意しておく。
戦略的な企画である場合には特にこの点が重要である。失敗した場合に
備えて次の一手が用意されているとなれば、その企画は結局のところ、
タイミングを失わずに実施されることになる。

あらゆる要素を吟味する
プレゼンのタイミングは関係者への事前の根回しと、プレゼンの場所、時間、プレゼンを受ける人の心理状況でも左右される。もちろん、プレゼンの中味も大事ではあるが、環境条件ができていないとせっかくのよいプレゼンも成功しない。企画案をつくるときにプレゼンの方法、環境条件も考えておくと、プレゼンテーションのタイミングは一段と向上する。

タイミングをつかまえる条件