今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その16>

◆業界全体でLPガス需要の負のスパイラル化に歯止めをかけよう!(3)

 LPガス需要の負のスパイラルを「望ましいスパイラル」に変化させるためには、自助努力により、料金を引き下げる原資を捻出し、お客様にガス需要増につながる機器を愛用してもらう工夫をすることでしたね。

では、ガス需要増につながる機器を拡販するだけでいいのでしょうか?また、省エネを否定するような需要開発もNGですよね。

 ハイブリット給湯器はお客様にとってはエネファームより、低価格で光熱費が削減できる(省エネになる)良い商品です。ところが、ガス販売事業者にとってはガス販売量が減る商品でもあります。

料金メニューが標準的な「基本料金+単一従量料金」だけのメニューの場合、省エネ機器の販売がガスの販売量を減らすことが直接、経営に響いてくることになります。


 そこで、「基本料金+単一従量料金」という単純設定から脱却して器具の需要特性に合ったガス料金メニューがあってもいいと思います。クレームをつけられたお客様に対して確たる根拠もなく、個々に料金を設定して何十年も販売活動をしていった結果、説明不能な何重もの料金メニューがあることは是正しなければならないことであります。

 よって、標準的な料金メニューや料金水準を示すことと「基本料金+単一従量料金」を標準料金メニューとして採用することは全く、別の問題であり、必ずしも「基本料金+単一従量料金」だけのメニューだけにする必要はないのです。




都市ガスの場合、特に条件がなく、誰でも選択できる一般料金のほかに、ある条件に合致する場合に適用する料金メニューがあります。これは顧客に「選んだ感」が生まれ、他社へのスイッチ防止になると思います。LPガス料金も需要特性や機器特性、消費者特性に合った多様な料金メニューが顧客囲い込みの武器になると言えます。