今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その18>

◆真にお客様から選ばれる企業となるために(2)

目指すは「生涯顧客化」
・・・価格・サービスのすべてがトップレベルでないと、お客様から選ばれないわけではない!

電力・都市ガスの自由化を機に、エネルギーに関する消費者行動は大きく変わりました。「供給業者を選ぶ」という意識が覚醒し、「敢えて選ぶ」行動をとるお客様が増えたということです。多くのLPガス販売事業者様が、今まであまり意識をせず自社のエネルギーを使っていたお客様に自社を意識して選択してもらうために新料金プランやサービス、特典を設けるなど様々な生き残り策を駆使し「改めて自社のエネルギーを選んでよかった感」を創出することに努力されています。
お客様にとって、価格、料金メニュー、サービスの提供などのリーズナブル感は確かに心を動かす要因にはなりますが、「どんな時でも、どんなことでも、あなたに〇〇〇してもらいたい」と言ってもらえる関係(強固なラ・ポール)を作り出すことの方がより重要なのです。
お客様の価値観やニーズは多様化しています。価格・サービスのすべてがトップレベルでないと、お客様から選ばれないわけではないのです。衣類、食品、自動車、家具、電化製品・・・・どんな商品でも多くのお客様に購入していただきたいという思いはありますが、一般に商品にはターゲット客が設定されて、商品開発やプロモーションを行うのが常識です。
ガス販売事業者は今まで、「顧客を囲い込みたい、ワンストップサービスを提供したい」など供給者発想で今まで、販売事業をしてきました。今後、お客様から「この事業者に頼みたい、そして、どんなサービスでも頼みたい!」とそのお客様にとって、「何かにつけ、頼られる存在」になる顧客発想での営業が生涯顧客化への鍵となります。
生涯顧客化にはお客様のご要望にはできるだけ何でも承ることが信頼される秘訣です。何でも承ると言ってもすべて自社で内製化する必要は全くないのです。ですから地域内で地産地消の理念に合致する事業者と手を取り、地域内協業体制をとればいいのす。また、すべての仕事を同じ利益率にする必要もありません。お客様から「あなた」に何でもまとめてお願いしたい!と言わせるような「暮らしのポータルサイト(かかりつけ)」となることが地域密着型の企業がとれる生き残り策といえましょう。


今まではLPガス事業者は地域密着型の企業だといわれてきましたが、今後は地域密着版プラットホーム事業を制する者が地域を制すると言っても過言ではありません。