タイミングで成功する人、失敗する人<その2>

成功はいつまでも続かない<撤退・転換のタイミング>

撤退は前進より難しいといわれるが、ビジネスでもいつまでも成功し続けることはないし、物事には寿命のようなものがあるから徹底というアクションの必要性はいつでも起こりうる。一つの事業からの撤退、ある商品の発売中止、ある市場からの徹底という現象が繰り返されて企業は存続する。

1.商品や事業には寿命がある
新商品を開発・発売したとき、新事業に進出した時、新しい工場を建設したときに、いつでも最初から撤退の時期を想定しておく。多くの場合、人は成功すると、その成功はいつまでも続くと錯覚をおこしやすい。新商品が当たるとそれに夢中になりその商品が売れなくなることを忘れてしまう。
残念ながら一つの成功がいつまでも続くということはない。盛者必衰の例の如く、必ず多くの物事はピークに達すると降下する。商品にも事業にもライフ・サイクル(寿命)があることを念頭に置き、新しいことを考え行動すれば、タイミングを失わず、痛手、損失を最小限に抑えることができる。

2.社会の変化が撤退のタイミング
経済、政治、社会にも大きな流れがあり、その流れに大きな転換期が起こることがある。会社にも大きな転換期がある。また、歴史の流れには節目がある。こういう節目は撤退のタイミングである場合が多い。この場合撤退=転換期と考えてもよい。世の中の流れが変わったのだから、こちらもそれに合わせて変化=転換すると考えるわけである。新製品や新事業の方向を変える場合にはこの転換期を選ぶ必要がある。

3.節目を自ら作る
何か仕事をするときにはこの期間内でこれだけの成果を上げたら、その時には必ず撤退、転換をするとあらかじめ決めておく。すなわち「任期」を決めて仕事につくというやり方である。もちろんこの「任期」=タイム・リミット前に撤退しなければならない場合が発生する可能性はある。しかし、このタイム・リミットをあらかじめ定めておくと、いつまでもずるずると流れに流されて「引き際」を失うという危険は減少する。
10年間住んだらこのマンションを売って次の一戸建ての住宅に住みかえるとか、60歳になったら社長の座を譲るべく後継者を育成するといったようにタイム・リミットを決める。タイム・リミット=節目を自ら作り、転換していくと事業、仕事、人生も活性化してくる。

◆タイミングをつかまえる条件
①最初から撤退の時期を想定しておく
②大きな転換期をとらえる
③タイム・リミットを決めておく