今後のLPガス販売事業者の課題を考える<その10>

 LPガス事業を、新しい時代に向けて「家庭・生活サービス産業」として再構築するためには、お客様といかに多くの接点を持つかにかかっていると言えます。お客様への『情報提供の仕方』『働きかけの技術』『つながり方』などその会社が成長繁栄するも亡びるもコミュニケーション戦略次第ということではないでしょうか。

☆よい情報・よい方法で「心の領域」での結びつきを!
 コミュニケーション戦略の目標は、今ある需要(消費量・売上高)をさらに増やすこと、LPガス以外の商品も買っていただくこと、お客様の生活状態や心の中に潜在している需要を引出し、具体的な商売につなげることです。競合している同業・異業種の他社に比べて、より早くよりよい情報を、よりよい方法でお客様に届けることで、その目標に近づくことができます。

 コミュニケーション戦略の機軸となるのは以上の3つのうちで最後にあげた「よりよい方法」です。例えば、広告チラシやミニコミ誌でも、大きさ、紙質、色、内容、統合的なイメージなどの要素と、届け方、渡し方が重要です。方法次第で生きた情報にも、邪魔者扱いされてミニコミ誌がミニゴミになりかねないのです。

 名の通った大企業や見識が高いだけでマーケティングに弱い(不慣れ?)企業がコミュニケーション戦略で失敗するのも「方法」がネックになっているケースが多く見られます。ブランド、自社の知名度、経営資本の規模、過去の実績、業界内での地位などで優越意識が先行しているからです。意識が先にあって方法(実践面・展開)が二の次だから、市場末端に広がっている「消費者の心の領域」には踏み込めない。ブランディングやステータスだけでは商売にはならない。だからこそ、ブランドやスキルで多少劣る地場の中・小店に大企業が敗北するケースは結構あるのです。LPガス事業者が戦列に加わっているリフォーム関連の情報戦でも、こうした現象はよく見られます。


「無料診断、設計料サービス、品質・技術抜群!」など有名大企業のチラシやDMがうるさいほど投げ込まれると人はどのような気がするだろうか?

「わが家はそんなにおんぼろ・ガタガタではありませんよ!」
「診断してもらわなくても自分でそれくらいのことはわかる!」
「無料サービスなんていっているけど、工事代に含まれていることくらい
 誰でも知ってるよ!」
「材料や器具の品質に大差はありません!」  とお客様は思っている…