DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その9>

ガス屋さんのDX化の1つとして自動検針の導入がありますが、顧客との接点が希薄になりがちという新たな課題が発生しています。スマートフォンの普及で顧客はインターネットを通じて企業やブランドとつながりやすくなりました。SNSなどの発展に伴い、見込み客が企業に直接コンタクトできる機会も増えています。そうした背景からマーケティングにおいては、新たな視点での施策を検討し、オンライン、オフラインのあらゆる場面で、いかに顧客とつながっていくのかが重要視されています。検針で訪問するという機会を失った分、新たな方法で顧客との接点強化の機会を増やすことが、売上向上につながる効果的な施策といえます。

◆マーケティング4.0時代の5Aとは?
マーケティング戦略として、4P(製品、価格、流通、販促)やAIDMA(注意、関心、欲望、記憶、行動)を活用した手法を見たことがある方も多いことでしょう。セールスに至るまでのフレームワークとして、概念がわかりやすく伝わります。マーケティング4.0においても、5Aという考え方があります。5Aとは、Aware(認知)、 Appeal(訴求)、Ask(調査)、Act(行動)、Advocate(奨励)の5つのステップを指しており、購買におけるそれぞれのプロセスにそって顧客にアプローチし、顧客を理解しながらマーケティングを行うというものです。5つのステップを繰り返すことで、最終的に顧客からの信用を勝ち取り、ブランドのファンとして他者に推奨してもらうようにつなげていくのです。

◆マーケティング4.0時代の顧客の購買行動


ますますオンライン化、デジタル化されている世界において、オフラインのふれあいは強力な差別化要因になると言います。自動検針の導入によって、一時、ミニコミ誌の配布を休止されたガス屋さんが、点検や担当エリアを決めてミニコミ誌配布を再開される事例が出てきました。顧客接点強化として、オンライン+アナログの新たなコミュニケーション戦略が生れています。顧客へのアプローチは、WebやSNSが主流になるからこそ、ミニコミ誌配布などのアナログのアプローチや、営業パーソンによる「人間くさい」アプローチが差別化につながっていくのでしょう。