コミュニケーション能力アップのための 職場の「報」「連」「相」 <その17>
「報・連・相」が社内外で円滑に行われるためには、発信する側と受ける側、双方の高い意識が求められます。組織全体で見直し、社員全体で一定レベルまで到達させることが大切です。
「報・連・相」を職場のOJTに盛り込んでみては?
上司が部下に、先輩が後輩に、仕事を通じて業務に必要な能力を計画的・重点的に指導する社内教育や訓練のことをOJT(On the job Training)といいます。新入社員に対してビジネスマナーなどを教育する場面で活用する企業が多くみられますが、このOJTに「報・連・相」の指導を盛り込むことをお勧めします。
OJTによる指導の最終目的は、「考えて行動できる社員」を育てることです。仕事の核となる「報・連・相」の向上は、当事者だけでなく組織全体が意識をもつことで達成されます。
OJTの基本をおさえよう
OJTは、以下の3条件を基本として行います。
①計画的に実施すること
②重点的に実施すること
③仕事を通じて実施すること
まず、①いつまでに、②どんな能力を、③どのレベルまで高めるか、について計画を立てます。その際には、身につけさせたい対象能力や実施期間を重点的に絞ることで、『実施可能性の高い』取組みになるよう考慮することが大切です。そして、朝礼や部署内ミーティングを活用した話し合いの場を設けたり、日々の仕事の中で若手社員が直面している問題に気づいて上手に援助したりするなど、定着を図っていきます。
正しく指導するためには手順があります
◎教えることを明確に
相手の現状を正確に認識し、何が足りないかを把握します。また、最初から厳しい難問を与えたりせず、学ぶ側が受け入れやすい雰囲気をつくることが必要です。
◎相手の理解度に合わせて
相手の理解度を考慮しながら、必要なステップを一から丁寧に教えます。良い例と悪い例を示しつつポイントを強調することで理解が進みます。
◎習得するまで何度でも実践させる
間違いがあれば逐一指摘し、できるまで何度も指導しなければなりません。ポイントを追加説明したり、わかったことを自分の言葉で言わせたりすることも有効です。特に新入社員に対しては「一度教えたらできて当然」という概念は捨ててください。
◎指導の効果を確認しフィードバックする
指導後の仕事ぶりを観察し、評価します。不十分であれば追加指導を、達成していればほめることを忘れないでください。
やり方が分からなくなったときに質問する相手を明確に決めておくことや、質問しやすいように折を見て声をかけたり、励ましたりすることも大切です。