コミュニケーション能力アップのための 職場の「報」「連」「相」 <その12>

「ホウ・レン・ソウ」の「ホウ」とは「報告」、「レン」とは「連絡」、「ソウ」とは「相談」のことです。この3つが職場で的確に使えるようになると、コミュニケーション能力がグンと向上し、周囲から一人前と認めてもらえるはずです。「報・連・相」の特徴は、一つ一つが独立したものではなく、3つが連携して初めて大きな力を発揮することがあります。事例をもとに、どこに問題があり、どうすればいいのか考えてみたいと思います。

自分だけでなく会社全体にかかわることは、すみやかに相談しましょう。
相談すべき相手を正しく見極める目を持ちましょう。

  相談の事例5  
営業部の林さんにはある悩みがありました。それは、取引先の男性からしつこく誘われていることでした。その都度断ってきましたが、先日その男性から「うちの会社が重要じゃないってことかな」と気になることを言われてしまいました。先輩を夕食に誘い相談の機会をつくったのですが、楽しそうな雰囲気のなかでなかなか言い出せず、結局言いそびれてしまいました。林さんは今、会社を辞めることを考え始めています。


  事例5の問題点   ときに深刻な悩みを抱えることもあります
取引先や顧客との関係で、このように深刻でデリケートな問題がしばしば起こることがあります。こんな場合は、一人で悩まず、早期に上司や先輩に相談しなければなりません。放置しておけば、いつまでたっても問題は解決せず、林さんだけが悪者にされてしまったり、最終的に会社に損害を与えてしまったりすることもあるでしょう。これこそすみやかに相談すべき重要な問題です。

  事例5の改善策   重要なことを一人で解決しようとしてはいけません

◎相談は自ら勇気をもって切り出しましょう
 相談したい内容は人それぞれでも、このような事例のように「取引先に上手に断る対処の仕方」は社会人になれば一度くらいは通過する難関かもしれません。社内で話しにくい内容も、外で食事をしながらであれば打ち明けやすいでしょう。但し、お酒が入ってしまうと先輩のペースになってしまったり、単なる雑談で終わることもあるはずです。
 それでも、自分の悩みを相談するつもりで誘ったのであれば、自分から「実は…」と切りだす勇気を持たなければなりません。自分だけでなく、他の社員も同じように被害を受けているかもしれません。取引先との問題は一刻も早く相談すべきことのトップに位置付けられ、早急に社内で対処する必要があるはずだからです。

◎相談する相手をきちんと見極めること
 同僚が一番話しやすいかもしれませんが、単なる愚痴を聞いてもらうだけになりかねません。先輩の中にも話しやすい人と話しにくい人がいるかもしれませんが、話しやすさで選ぶのではなく、誰に相談することが自分にとっても会社にとってもベストであるかを見極めることが大切です。日頃から周囲と良好な関係を築きつつ、いざという時に頼ることができる上司や先輩を見つけておきましょう。