コミュニケーション能力アップのための 職場の「報」「連」「相」 <その2>

「ホウ・レン・ソウ」の「ホウ」とは「報告」、「レン」とは「連絡」、「ソウ」とは「相談」のことです。この3つが職場で的確に使えるようになると、コミュニケーション能力がグンと向上し、周囲から一人前と認めてもらえるはずです。「報・連・相」の特徴は、一つ一つが独立したものではなく、3つが連携して初めて大きな力を発揮することがあります。事例をもとに、どこに問題があり、どうすればいいのか考えてみたいと思います。

「連絡」とは、関係者に対して、必要な事項を必要なタイミングで、簡潔に分かりやすく伝えることです。「報告」と違い、伝える相手は、他部署や取引先など多岐にわたります。
 
 
  連絡の事例1  
A社との打ち合わせ日程を変更するように指示された伊藤さん。直ちに先方に電話を掛けましたが、担当者が不在であったため、「来週予定していた青木様との打ち合わせですが、弊社の都合で翌日の15時に変更とお伝えください。ご都合が悪い時は、折り返しお電話ください」と伝言を残しました。ところが、約束の日に、部長と一緒に訪問すると、担当の青木さんは不在でした。後でわかったことですが、青木さんは当初の予約日自体を勘違いしていたようです。
 
  事例1の問題点  
電話の特性を知り、正確なアポイントメントを
伊藤さんは、変更後の日程につき「翌日」という言葉を使いました。電話は声と言葉だけが頼りのコミュニケーションツールです。用件を正しく伝えるためには、簡潔・明瞭・的確に話すことが求められます。特にアポイントメントをとる場合には、相手が本人であるか伝言であるかに関わらず、①要件 ②固有名詞 ③数字(日時など)をはっきりと明確に伝えなければなりません。


 
  事例1の問題点  
間違いを防ぐために「5W3H」を意識して話そう
◎連絡のみならず、報告するときにも活用できるポイントです
「5W3H」は中学校で習う英語の疑問詞です。この「5W3H」を使って報告や連絡をすれば、自然と誤解を与えない明瞭な話し方になり、話す側・受ける側両方にとって非常にメリットがあります。
◎こんなふうに伝えてみよう
伊藤さんの事例では具体的にどう伝えるべきだったのでしょうか。

このように、先ず原案を含めて用件を正確に伝え、次にこちらの希望日を述べます。この順番で話せば簡潔に分かりやすく伝えられ、相手の聞き間違いや思い違いによるミスもなくすことができます。