DXの活用でガス屋さんの『顧客』を『個客』に <その7>

DXを新たに活用することでガス屋さんの『顧客』を『個客』に変えるという新たな視点から既存の慣習やルールを変革するヒントを引き続きシリーズでお届けしますが、今回は「コロナパンデミックからの脱却に向けた方向性」について触れてみたいと思います。

◆コロナパンデミックで表面化した大きな課題

■世界デジタル競争ランキング2021

2021年9月、スイスの国際経営開発研究所は世界のデジタル競争力ランキングを発表しました。このランキングは、政府や企業がどれだけ積極的にデジタル技術を活用しているのかをしめしており、以下の3つの指標で評価されます。

①知識
新しい技術を開発し理解する上でのノウハウ

②技術
デジタル技術の開発を可能にする全体的な環境

③将来への準備
デジタル改革を活用するための準備の度合い


国際経営開発研究所は、コロナパンデミックからの経済回復の速度は「デジタル競争力にも左右される」としており、3つの指標の数値をどれだけ高めていけるかが重要としています。ランキング上位10位の国・地域はデジタルに関する「効果的な規制の枠組みがある」「新技術の導入が早い」ことから、経済が回復するまでのスピードは速いであろうと分析しています。

ウイズコロナ時代は、コロナ前の市場と比較して、7割の経済規模になるとも言われています。7割経済の中で、今までの利益水準を維持するためには、生産性を従来の1.43倍に引き上げることが必要です。デジタルツールを有効活用し、今までの非効率的なアナログ的な考え方や習慣を変え、業務そのものを変革することができるかがカギを握ることになります。



押さえておくべきデジタルの特徴
デジタルの特徴の一つはコストパフォーマンス(営業生産性)が高いことです。たとえば、一人ひとり丁寧に対応できる人による営業に比べデジタル営業は一度に多くのユーザーに対応が可能です。また、販売促進では、幅広い潜在顧客に接触可能ではあるが高額なテレビCMに比べ、デジタルは低額でユーザーを効率よく絞れるメリットがあります。
デジタルの特徴のもう一つはストック勝負であることです。テレビCMなどは、一瞬で1000万人にリーチできたり、投資直後に集客できるフォロー施策が必要になるスパイク型になります。デジタルは10万人集めるには300記事が必要となり、投資後時間のかかるストック施策が必要となるため積層型になります。